二反田旅館にて

Lさんからお誘いを受けて、旅の途中のI上人様にお目にかからせてもらった。九州から山口入りされた上人様と厚狭駅で待ち合わせされているらしかったけれど、何時に到着されるか未定とのことで、お越しになるのをLさんと二人でコーヒーを飲みながらお待ちした。若輩者の私が言うのも変だけど、うさとの服を着たLさんは、二十代の学生さんのように可愛かった。(って本当にいつも賢くて且つチャーミングな方です。)

つい先日お隣が火事で焼けた二反田旅館の二階の喫茶店から駅を見ておられたLさんが黄色い袈裟を発見されるやいなや、飛んで出て行かれ、支払いをしようと思えども、店員さんはおられず、やむなく階段を降りていっていたら、無銭飲食と間違えられそうに?なった(笑)。初めてお会いする上人様は、駅から降りてスタスタと歩いて来られる姿が、Lさん同様これまたお若く、とても清清しく気持ちの良い方だった。

旅館の二階の喫茶室に一旦もどり、Lさんがお声をかけられたMさんが仕事を終えて来られるのを、階下に駅を見下ろしながら待つ。久しぶりの再開に話を弾まされるお二人の姿は、校内で政治経済に論議を交わす学生カップルのようにも見え、サクサクと話を交わしてゆかれるお二人は、お側で何も解らずに拝見していても、とても気持ちよかった。

ストーンウォークで一緒に歩かれたというI上人様のことは、去年の秋頃にLさんから何度かお話を聞いていた。大らかに付き合いながらも、表の情報から裏の情報まで色々と通じておられるお二人のようで、Lさんがその身を案じておられる気持ちなどもその時には、とても伝わってきていた。計り知れないものが多々ある気がするけれど、お二人ともが大いなる慈悲の人であるがゆえなのかもしれないと思った。

上人様はお坊様でいらっしゃるのに、人々と同じ視線でお話をされる方であった。語弊も覚悟で書くならば、僧侶っぽくない僧侶の方とも言えるかもしれない。妄語なく、そして快活にワハハと笑われる。若い頃はバックパッカーでアジアを放浪?し(Lさん曰く、私の友達は放浪癖のある人が多い・笑)二十代後半で得度され、その後ニューヨークに渡り30年位過ごされてきていると聞いた。

9.11以降、ガラリと自分の中のものも変わってしまったというようなことも話されていた。市民活動もされているみたいであったが、行動はあくまでも非暴力で、慈悲をもって行い、非難するのではなく、真実をあかすことで、目覚めてもらうことを望んでおられるようだった。私は、未だにアメリカという国に対して(個人個人はまた別だろうけれど)完全に慈悲の心では見ることができないけれど、でも、こういった人に出逢うと、少しずつでも許してゆける気分になってくる。事実をしっかりと理解したうえで、相手を許していかなければいけない。そうしなければいつまでたっても恨み辛みのサイクルから抜け出せないし、歪んだ状態で訴えても、上手く伝わらないということは、身をもってよく解っている。(~_~;)

「自分の思想に相手を無理やり同調させたり、引き込もうとされない」ので、側でお話を聞いていてもとても聴き易かった。「行動することで、自らの内なる思いを昇華させてきておられる」せいか、物事に対しての執着心が感じられないお方でもあった。

「逃げてるよ」と私の膝元にやや小さめの声で置いてくださった。今までは目の前に提示されても受け取るどころか、無視。拾い上げたこともなかった言葉だけれど、言われてみれば、確かに、逃げている。逃げてもいいけど、越えられたらスッキリするんだろうな。

ここの所、味わい深き心に残る人に出逢わせてもらっているが、夕方仕事を終えてから参加されたMさんも、その一人。初めてお会いしたのは、竹炭焼きの現場。寒風吹き荒ぶ中、か〜な〜りブスケタ顔で作業をしていたら、おもいっきり笑顔で挨拶をしてこられた。「僕と知り合いになった人は皆幸せになるんですよ」とのたまわれた時には、「アホかいな」って(Mさん、御免なさい!)寒さで鼻水が垂れそうになるのを懸命にすすりながら一瞬思ったけれど、ゆっくりと知っていくと、ひびきの森の理恵さん同様、色んな働きかけをし、真に賢くて温かい人であることが解った。

二反田旅館から歩いて数分のところに住んでおられるSさんはお誘いの電話をいれた時点では東京でセミナーを受けておられたのだけれど、やや無理を言ってお願いしたら、山口に戻ってこられてからお疲れのところ、顔を出して下さった。とてもお世話になっている方であるので、お顔を拝見すると、ホッとする。お互い3月生まれなので、またお誕生月にでも一緒にお食事できればいいなと思う。またセミナーでのお話なども聞かせてもらえたらいいな。

22時を過ぎて、閉店につき、お開き。思いのままに生きておられるステキな人たちに囲まれて、何となく心が満たされて幸せな気分。

相変わらずの握手魔の私は(誤解を受けるかもしれないので辞めた方がいいのかな(^^ゞ)、上人様に握手をお願いすると、Lさんがまたノコチャンの癖が始まったよとばかり側で笑っておられた。

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方向音痴の私の運転で、MさんとLさんを送り届けて帰宅。今日も、な〜んか良い1日だった。皆様ありがとうございました。またお逢いしましょうね。