秋吉台音楽コンクール コントラバス部門

秋吉台音楽コンクールを聴きに行った。美祢市秋吉台芸術村での開催で、観覧は無料。どこでチラシをピックアップしてきたかも忘れてしまったけれど、探し物をしていてチラシが出てきて、開催日は旦那共々フリーだったし、家からも30分もかからない場所での開催なので行ってみた。

ピアノ伴奏でコントラバス一台での演奏は過去に聴いたことがない。でも今回演奏を聴き、コントラバスという楽器がとてもバラエティに富んだユニークな音色を色々出せる事を知り、その演奏と楽器をすっかり気に入ってしまった。楽器の中に大きな空間をもつ楽器なので、物理的な音の振動の大きさが空間に与えていく影響は大きく、太く低い音は、大きな森に居るような気分や、巨木の側に居る時のような安堵感を感じさせてくれる。

其々の演奏者の方が持ってられるコントラバスをみるにつけ、赤味の強いものから、暗めの茶色のもの、材質は主には杉材だろうけれど、硬さの違う色んな材の利用があるような気がした。形もくびれの強いものから然程でもないものもあり、大きさにも随分差がある。首下のくびれの強い楽器は高音が弾きやすそうで鳴りも良かったし、音取りもしやすそうだったけれど、誰が扱ってもそこそこ良い音が出せるような楽器は個人的にはつまらないという感じもうけた。一寸扱いづらい楽器の方が面白そうだった。

コントラバスのような低音の響きは、再生機器で再現するのが難しいと聞く。生の楽器でないと、あの空間の太く低い響きを感じる事は出来ない。そう思うと、その点においても今回の演奏は私にとってとても貴重だった。コントラバスはとても魅力的な楽器。その魅力を今まで知らなかったし、知る機会も無かった。

すっかり嵌まってしまったけれど、勿論それは演奏者による所がとても大きい。奥田敏康という方の音楽の楽しさを知ってる表情と演奏、はじめは一寸生意気そうにも見えたけれど素晴らしくステキだった張 馝根いう方の演奏、主にこのお二人のお陰でコントラバスの魅力を堪能することができた。因みに楽しみにしていた奥田さんの演奏が聴けたのは第二次予選まで。奥田さんは佐渡裕さんの指揮されるPAC(?)に4年間在籍されていたと聞いたけど、とても素敵な音を鳴らされていて、一次予選のピアノとの音合わせの一音で魅了された人だったので、とても残念だった。しかし何故PACにパスするような奥田さんがファイナルに行けなかったのかよく解らない。でも音楽は最終的には個人的な好みの問題と思っているし、私は私の好きな音(音楽)を聴くので、審査員の方々がどのような采配をしようが良しとしよう。

審査の結果は、1位該当なし。2位、小坪 直央さん、十河 七海さん。3位,大友 響稀さん、張 馝根さん。 2位の方はお二方とも、天下の芸大に行っておられる方のようだけれど、それらしき表情で演奏されていたけれど、音にまでその表れがしっかりあったか、私に感じられたかと言えば、クエスチョン。予選では、やっと音を拾っているという感じの所もあったし、音をさらっているだけにしか聴こえない所もあった。何故2位なのか全く解らない。二度目を三度目を聴きたいという気も全くおこらない。リサイタルがあったとしても、まず行かないだろう。勿論個人的な感想ではある。寧ろ3位の大友 響稀さん、張 馝根さんの方が良かった。張馝根さんのファイナルの演奏に関しては私的には飛びぬけて良かった。全体を通して一番暗譜もしておられたと思うし、それはイコール練習量(及び才能)ではなかったのかとも思う。一音一音の音の美しさ、正確さ、意図的な音の出し方、最後まで配慮が行き渡り鳴っていたロングノート、変わった音色を出してからの元の音への戻り方の全体の中での自然さ、音楽の解釈、伴奏者への共演者としての心配り、等々まだお若い方の様にみえたけれど全てにおいて良かった。ロビーで案内の席にえおられた人も、この人の演奏にとても関心を寄せられていたようだった。ファイナルのリストを見て、この人が1位だと思ったら3位。訳わからない。遠く韓国からの参加で、以前半年ほど芸大に在籍された方と聞いた。今後、張 馝根さんの演奏会が是非に日本であって欲しいし、あったら是非とも聴きに行きたい。友人知人にも是非に紹介したいと思うし、徐々にこれから知れ渡る人になって欲しい。今後の活躍を強く望む。

しかし、これだけ観客が集まらないのは、このコンクールのお・か・し・さを物語っているのではなかろうか?。普通だったら12回目ともなれば、それなりに周知されてきて、お客さんもそこそこ入るはず。それなのに、第1次、第2次予選ともに私たち含めて4人程度しかお客さんはおらず、本選の後半は、出演されていた方を除けば、私たち夫婦だけだったように思う。日曜日は他のイベントと被った所為もあるかもしれないけれど、それでも少なすぎる。何の為の、誰のための、コンクールなのか?と旦那さんが言っていたけれど、まさにそう思う。因みに主催:公益財団法人山口きらめき財団および秋吉台国際芸術村 後援:山口県,山口県教育委員会美祢市美祢市教育委員会山口県文化連盟、朝日新聞社毎日新聞社読売新聞社山口新聞社中国新聞防長本社、KRY山口放送tysテレビ山口yab山口朝日放送FMYエフエム山口、エフエムきらら、FMスマイルウェ~ブ。後援も名前だけは沢山書いてあって、建物も立派だから、如何にも立派なコンクールのように見せかけているけれど、参加してみてびっくりではなかっただろか?

熱意を持って開催しているのであれば、本選に観客2人しか来ないということは無いと思う。忖度なく真っ当なコンクールであれば、回を重ねるたびに人は勝手に集まってくると思う。もしかしたら、あまり突っ込まれたくなくて、観客には来てもらいたくないのかもしれない。きっとそんな所だろう。演奏を聴けて、それはありがたい事だったけれど、このコンクールをやって、税金を払っている市民や県民にどれだけメリットがあるのだろうか?建物を存続させるため、予算取りの為の表面的なイベントだろうけど、その程度の意識のコンクールなら、開催しなくていいんじゃないかと思えてくる。

忖度筆頭大国山口県。一応審査員の名前を書いておくと、審査委員長:永島義男、審査員:池松宏・石川滋・黒木岩寿・西口勝・吉田秀・金木俊幸(敬称略)。内容も規模もクエスチョンのコンクールにこれだけの審査員(の経費)が必要なのだろか?因みに審査員に女性の名前は一人もなし。県知事なんて一度も見に来ていないと思うけれど、県知事賞が出ている。誰がどのような基準で選んでいるのだろう?よく解らない、さすが山口県

秋吉台音楽コンクールアーカイブ配信"として、本選の全演奏を秋吉台国際芸術村You Tubeアカウントで無料公開いたします”とプリントに書いてあるので、後日聴けるのだろう。でも、本選に選ばれた方だけなので、PACに在籍しステキな音を出しておられた奥田敏康さんの演奏は聴けない。代わりに第1次予選では音取りも疑問が残るような演奏だった人の録音は聴ける。なんともはやしっくりこないコンクール。録音状態は全く期待できないけれど、張 馝根さんの演奏は是非に聴きたいし、多くの人に聴いてもらいたいと思っている。 

来年は参加費を随分上げて開催される模様。今回一位該当なしで40万円浮かせることができただろうけど、そのお金はどういう消化のされ方をするのだろう?微々たるお金として有耶無耶になっていくのだろう。そのお金で、一般に向けてピアノの無料開放デーとか作ってくれたらよいのにと思う。

この記事、奥田敏康さん(名指し・(笑)失礼)が読んで下さるとイイな。←ミーハーです(笑)。山口県ちゃー安倍さんのおひざ元、そんなところですよ~。

そして、次回コンクールの参加を考えている人の目にもとまるとイイなと思う。ついでに美祢市政を考える人などの目にも留まるとイイなと思う。合掌

 

#秋吉台音楽コンクール #コントラバス部門