大陸堂は面白い

大陸堂の金曜日は深夜12時までの延長営業の日。気ままなマスターの事だから、開いている可能性は100%ではなし。開いてるかねぇ?なんていいながら出かけたら、灯りが付いていた。

マスターが、「おぉ〜」といつもの緩い感じで出てこられる。この脱力して生きておられる感じが何ともいい感じ。

「ご飯食べたぁ?」って聞かれて、「まだぁ」とRさんがいうと、「オレもまだだから、一緒に作ろう♪」と言われて、注文のタコライスを作り始められる。

後からお一方こられたので、同じ食事が4人分セッティングされた。4人で席に着く。同じものをそろって食べるというのは、これまたおつな感じでよろし。

後から来られた方は、ジャグラーのインストラクターの方だそうで、通称ニャンタさん。大陸堂のマスターと一緒に「ゼロセン」というバンドを組んでおられるらしい。

出てくる会話は当たり前だけど、そこでウケルもの、必要であるもの。ADHDや精神参っちゃうよねぇ〜な話。短い睡眠で遠くまで行っちゃう話。長崎にある「アンデルセン」というお店の話等をする。アンデルセンの主人はかなりのサイキックな能力のある方らしい。ライターなんかもグニャーンと伸びちゃうらしく興味津々。

食事が済むと、後からこられたもう一方と3人で、周南市であるライブの練習を始められた。

同じ様なリズムとフレーズが繰り返されると、私もある種の気分にチューニングされていくようで(大陸を何かに乗ってずっと緩く心地よく走っている感じ?)な〜んかいい感じ。

私たちは気ままに店内の面白いアジアの雑貨や服を見てまわる。BGMはライブの演奏(練習)。

マスターの鳴らすエレキギター(ベース?)の音は、ミキサーの関係もあるのだろうけれど(ってミキサーってのもよく解かりませんが(^^ゞ)心地よい。弦の音って、何故こんなに好きなんだろう?(弾く人にもよりますが。)

Rさんがマスター所有のシンギングボールを見つけて、鳴らし始める。上にも下にも倍音がとてもよく響く。後で私も借りて鳴らしてみたけれど、余り鳴らず。私って響かせるの下手くそ。しかし、コンと鳴らすと、その音の余韻の長いこと長いこと。これには驚いた。

外にでると、静かな夜の木々からそっと放たれる何か(気)を、自動的に手、足、全身の皮膚が、呼吸する。山が吐く気を体の表面全体で呼吸できるみたいで気持ちいい。

店内の商品であるジャンベも、お借りしてもいいですかぁ?と聞いて、外に持ち出して鳴らす。大中小とあったけれど、一番大きいのが空気を沢山響かせるからか、気持ちいい。すぐ近くの山から戻ってくる音をききながら遊んだ。

ここ大陸堂の良さは、適当に人に関って、適当に人をほっといてくれる所。

カウンターの下に本が沢山あったので、見るとシャガールコクトーパウルクレー、etc.好みの画集や写真集ばかり。その中に、タイトルみたことあるなぁと思って手にした本。「メメント・モリ」。捲っていって、絶句、沈黙…。先日観た映画「神の手」同様、頁によっては、息が一瞬止まった。

12時を過ぎ、演奏も一段落したところで、帰ることにする。
色んな味わいの楽しい楽しい一日であった。