二枚の絵ハガキ

12月も終わりに近づいて、二枚の絵葉書が手元に届いた。一枚は、先日注文した皆既日食のDVDと一緒に入っていた絵葉書。伝言が書かれた裏にはダライラマ法王様とポタラ宮の写真。そしてもう一枚は、秋に久しぶりにお電話を頂いたお礼にクリスマスカードを送ったらその礼状として届いたニューヨーク摩天楼の絵ハガキ。去年の春に夫婦であすか?に乗船し三か月半かけて世界を巡って来られたらしい。

カレンダーの下に2枚の絵葉書を貼って、意味もなく訳もなく唸るワタシ。

絵葉書を下さったお二人には、わたしには共通項がある。それは、このお二人ともに、サヨナラがとても素敵という点。

NY摩天楼の絵葉書を下さったCさんは、お絵かき教室で毎週土曜日に一緒に学んだ人。パッと見は特別に目立つような人ではないけれど、とても優秀な人で、頭脳が明晰であるのみならず、配慮があり、情も深く、体験も多く、美しく生きておられる方。
いつだったか、偶々いつもと違うシチュエーションでお見送りをすることがあった。その時に彼女がしたサヨナラがあまりにも素敵で、こんな素敵なサヨナラをする人があるんだ、こんな素敵なサヨナラがあるんだと、心に焼き付けられるものがあった。それまでの私がまるでしらないテイストをそのサヨナラは持っていた。私の中に記憶で残るサヨナラは、悲しかったり寂しかったりするサヨナラが多かった気がするし、私がサヨナラをいうときは無意識のうちにそんなテイストを入れてしまっていたような気がする。でも彼女のサヨナラはまるで違っていて、相手を完全に信頼し、相手に心からのエールを送り、そして相手への希望を与えるものだった。あまりにも印象的だったそのサヨナラは、そのあと数日経っても余韻が残っていたし、今もその素敵なサヨナラは私の中にしっかりと残っている。
仮にサヨナラを言う相手ともう二度と会えないかもしれないとしても、きっと彼女は、そんなサヨナラをするに違いない。

もう一方のポタラ宮の絵葉書をくれたKちゃんは、去年インドを旅していてた若者。2年前?羅漢山であったお祭りで、私と友人を見送ってくれた。この時のサヨナラもとても素敵で、無事に帰れるのかなぁと心配する私とは逆に、Cさんの時同様、いっぱい手を振りながら、相手にエールを送るようなサヨナラで私たちをずっと見送ってくれた。
あの時のCさん以来の素敵なサヨナラだなぁと、見送る姿が見えなくなった後も、頭の中でその素敵なサヨナラをリピートしていた。

どんな時も、自分を失わず、同時に自然に相手の事を思いやれる人達。周囲と調和しながらも、きちんと自分の意思を持ちながら自分の人生を生きている人達。
今は、まったくまだまだだけど、あんな素敵なサヨナラを言えるような人になりたいな。なれますように。なれよ〜〜!なるんだぞぉ〜!