お寺でまぁるく幸せな時間(谷本さんSoloDialogues)

昨日のライブは家から15分もかからない場所で、多分、今までで家から一番近い場所でのライブ。やっぱり家から近い場所というのは土地勘もあるし安心できてよい。おまけにお寺(三光寺という浄土真宗のお寺)という空間、そしておばちゃんばっかりという私の好きな環境だから(笑)より安心して聴けて良かった。

谷本さんも言われていたけれど、木でできた空間というのは、音が丸くまろやか。お寺は築150年位経っているらしく、谷本さんが江戸時代の終わり頃と言われると、そうか、江戸の終わりかぁ、、、と頭が時代を遡り、太い梁はそれを物語る。

谷本さんの演奏は、いつもそう書いている気がするけれど楽しいし、そして手(指)の美しさにちょっと見惚れる(笑)。場所が違えば、よっ!この色男!だし、時に音が出るものが大好きなこどもで、でも方や音楽監督や牧師や講師などのお顔も持っておられる。何度もライブは聴いているけど、いろんな他の事やってこられているから(その時間が沢山あるから)か、同じ演奏(や芸?)を聴いてもそれが新鮮で、また実に楽しい。

一曲目だったと思うけれど、先日動物園で白クマを見た所為やテレビでオーロラを見た所為と思うけれど、目を閉じて聴いていると、美しいツンドラの台地が目の前に広がって行くような気がしてきた。ロシア、針葉樹、樹氷、光の粒。静かで、でも寂しくなんかはなくて、脳が結んでくれた大自然は美しかった。静まり返っているのだけれど、その場所は間違いなく美しい生命が息づいていた。命のある場所は、静かで、空気が冷たくても、どこかに温かい眼差しがあるような、、、そんな感じ。ちなみに谷本さんがその即興演奏後につけられたタイトルは「築150年木造のお寺」とかそういうネーミングでした(爆)。

それから、独唱された「海」。「う〜み〜は〜〜、ひろ〜い〜な〜、おおきぃ〜〜 なぁ〜〜・・・つ〜き〜は〜〜 のぼ〜る〜し〜〜 日はし〜ず〜 む〜〜」。また脳にぼんやり近場の海が思い浮かぶ(笑)。クラシック的な歌い方ではない、誰かのまねでは全くない、谷本さんの、歌。いいなぁと思ったら、一緒に行った麻実ちゃんもやっぱり帰り道で「よかった」って言っていた。歌を聴いていたら、ちょっと古い大きな船に乗り込んで、今から航海にでますって気分になる。現実が生き生きとしてくるような、、、そんな気分。私が漕いでいたのか、運ばれていたのか、いずれにせよ、そんな気分が寄せていた。

そして、また良かったのが、エレクトリックバイオリンを手にして初めて作った曲といわれていた、雨の雫が落ちるイメージから作られた曲。私は「シゴ」や「皇帝」なんかが好きなのだけれど、雨粒が落ちるのが伝わり、とても心地よくなるこの曲がまたよい。まだアルバムには収録されてないようで?曲名も定まっていないらしい。

エレクトリックバイオリンは、今回しみじみと谷本さんの恋人のように見えた。その青紫色のバイオリンは、時に打楽器のようにコンコンバラバラ叩かれたりしながらも、それはそれはいつも美しい音を谷本さんとともに奏で続けている。素敵なパートナー。

はじめ弦を爪弾かれるように弾かれる雨粒の音の入った曲の出だしは、こんな感じ(って解る訳ないか。idumittyさんや麻実ちゃんなら解るよね・笑)
タン・タン タ・ターン タ(∨〜・∧〜・∨∧〜〜・ ∧)
 ♭タン・タン タ・ターン タ(∨〜・∧〜・∨∧〜〜・ ∧)
   ♭♭タン・タン タ・ターン タ(∨〜・∧〜・∨∧〜〜・ ∧)・・・

谷本さんのライブは、とても幸せなカップルをイメージさせることが多くて、なんだか幸せな気分になって、そして「恋人同士っていいよなぁ〜」とそんなことを思う。「すぐそば」とか「カップル」とか、やっぱりイイね♪

他にも印象的だったのが、小さな手動のオルゴールをバイオリンのそばに近付けて回され、それをみんなが一所懸命耳を澄まして聴いたこと。オルゴールの曲は「ハッピーバースデートゥーユー」。小さな小さな音に、皆が一所懸命耳を傾ける。皆が一所懸命聴かないと聞こえないような本当に小さな音を追っていく。気配まで聞こえそうなほどにまで静まり、みんながその小さく素敵な音に意識を寄せて、聴いた。小さな素敵な時間だった。

お寺の天蓋の下、谷本さんの、結構わりと近く。知ってる人、知らない人。地元の、小さな、温かさ。

小倉のアングラなのもいいけど、今日のようなこんなライブもとてもよかった。ありがたくも投げ銭だったし(笑)。またお寺(もしくは教会のような場所)で聴けるといいな。

それから、まみママ&麻実ちゃんと一緒に行けて、お話できて楽しかった。ありがとう。一緒に行くことがあらかじめプログラムされていたような感じもした。お陰様の美味しさがありましたことも含め、深く感謝します(笑)。