さをり織り(パウンドケーキは最高でおまけに指輪も貰ったよ)

ひびきの森での「さをり織り」は、これで3度目。この「さをり織り」は嵌る。
出来上がったら皆で見せ合ったりして、一度目も二度目もとても楽しかった。今回も参加を希望したのだけれど、当初すでに予約で一杯の状況。それをひびきの森の理恵さんが、なんとか都合をつけて下さり参加できる事になった。

一度目はウールの糸で少し厚手で作って、二度目は幅広のものを作って、今回は少し薄手の夏に使えそうなものを作った。

さをり織りはとても楽しい。糸(ボビンに入った糸)を渡して、足元のペダルを一回踏んで、横糸を押さえる為のトントンをして、それを繰り返すと、段々と織り上がっていく。

糸を選ぶ楽しさ。配色の楽しさ。想像はするものの、縦糸と横糸の組具合で、へぇ〜って感じの色味や風合いになっていく。予想できない部分も楽しい。

今回糸を選ぶとき、肌触りを優先しようと思った。選んだ色はややくすんだブルーグレイ。用意された縦糸は、黄色が主で他の色(濃い目のブルー&ピンク&イエロー)の混ざったもの。色無き色のようなアースカラーになるといいなと思ったけれど、思いと実際は、いつもなかなか一致せず。

選んだ糸は、見た目には少し艶もあって、落ち着いた色味で、これは良いに違いないと思ったけれど、望む色だったり、手にとってみて好きな色が、必ずしも自分が身に着けて似合う色とは限らない。そんな事に気がついたのは出来上がった後の事。

明るく軽めで可愛い色味の縦糸と、ちょっと暗めでシックな横糸は、マッチングは良いとは言い難く、少々残念だったけれど、それでも出来上がった作品は、やっぱりこの世に一つの私の作品で、なんとなく少しずつ愛着がでてくる。

「次回は紫色の濃厚な色にしよう」と隣で織られていたidumittyさんが言われたときに、イメージがいくつも出てきた。idumittyさんの言葉はとても想像力が湧く。コクのあるスープや濃い赤ワインが想像されて、私も次回は、濃厚な美味しそうな色味にしようかなと思った。


織っている途中で、誰か入口から入ってこられて、よく見ると、知った顔。「美女がまた美女をつれて来たなぁ」と首を回して遠巻きに姿を拝見。

一段落して、美女が連れて来られていた美女とご対面。趣味の?握手をしてもらって、ついでに、いいかどうかのお返事を聞く前にハグさせてもらった。正直言って、手芸などしなさそうと思ったその美女さんは、手作り大好きの人だったみたいで、自分の人を見る目の無さというか、自分の思い込みの多さを反省する。人は見かけによることもあるけれど、人は見かけに寄らない事も沢山ある。

お昼過ぎて、作品が出来上がったら帰る予定が、理恵さんのご好意で、お昼ご飯を頂いた。玄米あずきご飯に、ゴーヤチャンプルー、具沢山スペイン風オムレツ?等など。どれもこれもありがたくておいしい。

美女さんはパウンドケーキを作って来られたそうで、そのケーキも頂いた。美味しくてびっくりした。数年前に、まつずみ旅館に差し入れして下さった大下さん(欧舌さん)のロールケーキを彷彿させる位美味しくて、優しい味がした。

あまりに優しく美味しい味だったので、取寄せでもした特別に良い材料でも使って作ってあるのかと思って尋ねてみたら、そうでもないらしかった。人の手が、人の愛情が、作るものを美味しくする。不思議な気もするけれど、確実にその人の愛情が美味しさを作る。

この美女さんは、バッグも指輪も手作りだった。繊細で優しい一針一針。荒れた作業の一つもなく、繊細で優しい一針一針。この美女さんは、とんでもなく優しい人。

この人の作品が欲しくて、同じ指輪を作って欲しくて、訊ねてみたらOKのお返事。名刺とお金を渡そうとしたら、名刺だけ手にして結局自分のつけていた指輪を私にプレゼントしてくださった。嬉しくて、嬉しくて、嬉しすぎるほど嬉しかった。

このアンパンマンの顔のついた指輪は、始め私に上手く反応してくれなかった。私がとても酷い状態で心を合わそうとしていたからと思われる。ピントを合わせて行くと、私がすごく優しい人になったときのみ、赤ちゃんみたいな無垢な笑顔を私に向けてくれた。この指輪は、私にすごく優しくなるように言っている気がした。

優しい自分では、私が住む世界では生きていけないと思っていたけれど、この指輪は、それを可能にし、サポートしてくれる気がする。大切なものがまた一つ増えた。

午後からは、小さな子供達(1歳&2歳)と一緒に遊んだ。小さな子供と遊ぶのは滅多に無い体験。知った人、初めて顔を合わせた人。色んな年齢層の中に一緒にいる自分がいて、それはなかなか良いものだった。子供達を見守る目は沢山あって、それも楽でいい。子供達を見ていると、「次世代を担っていく子供達なんだなぁ」と自然と思えてくる。お別れの際に、小さなお手手と握手させてもらった。握ってくれた手は、とても可愛くて、そして思いの外、力が強かった。

色んなものが織られた一日は、私が大切にしたい気持ちも織り込んでくれていたらいいなと思った。