10月10日

今年も10月10日。大好きだった上司の命日。
平成10年10月10日。余りにも覚えやすい日に逝ってしまわれた。だから10月10日になると、あれから何年経ったんだ…と毎年思い出す。
私と同じように、この日Kさんのことを思い出しておられる人もあるだろうか?
楽しくて、でも大変で、でもだから充実もしてたあの頃の時間。個々の意識が企業を動かしていたとも思うし、企業という生き物に翻弄されていたとも思う。その企業という生き物も生きたり死んだりして、そしてそこで働く人も生きたり死んだりした。


長期のプロジェクトで長くベトナムに赴任されていたKさん。帰国されて検査入院中に亡くなられた。体育の日の休日、総務の女の子から自宅に「Kさんが亡くなられました」と信じられない電話が入った。大好きだった上司の訃報連絡の回覧を回さなければならなくなるなんて思ってもみなかった。腑に落ちないことだらけだった。

嫌いだったグループリーダーに刃向って左遷された時、「僕がリーダーになったら呼び戻してあげるから」って言われていたのに。その後は、部署も解散、職場も解散、私も散々、みんな散り散り。

あれから、その上司の亡くなられた年齢も越えてしまって、去年は丁度10年が過ぎた。
そして、今年11年。これからも忘れることはないと思うけれど、今年はずっと腑に落ちなかった事も、知らされなかった死亡原因も、それはそれでいいと思えるようになってきている。

来年も、再来年も、多分思い出すと思う。一応来世でも一緒に働く予定でいるし。

一人娘さんは、そろそろ大学受験の年頃かな?大きくなられただろうな。美人さんになられているに違いないな。

Kさん、これからもかつての様に優しく笑いながら、下界で働く私たちを見守って下さいね。