雨降る満月の日に満願成就

昨日は13時から行きたいところが3つ。分身の術は使えない私の体は1つ。下関での飯田氏の環境関連の講演会に行くか、てんつくマンの映画の上映会に行くか、地元でのお茶会に行くか、悩みに悩んで、結局お昼前から体調ヘンになって昼間っから寝込む始末。3兎追うものは1兎も得ず。

そして、本日満月で、お茶会をC庵の庵主が開きますよとの事で、日が暮れてからお出かけをした。年取ってくると?夜に出かけるのは億劫になって、お天気悪けりゃ尚更気持ちもあがらない。

昨日までは行く事を楽しみにしていたのに、気温が低下すると、テンションも降下。「ワシ、何しに行くんやろう?」と思考もだんだん落ちていく。でも空には今まで見たこともない不思議な月がいろんな表情で顔をのぞかせてくれていて、「こりゃ〜〜こりゃこりゃ、こんな月。こんなお天気だけど、出かけたからこそ見ることができる、今日の月。」そんな言葉をどこかの誰かが(って私なんだけど)言っていた。

出かけた時は雨は降っていなくて、くっきりきれいなお月さま。その後は雨が降っているのに現れて、リアルでもあり幽玄でもある表情をみせてくれたり、そうかと思えば、まるで隠れていなくなって、どこに行ったの?と訊けば、うすぼんやりと少し現れてみたりのお月さま。

月のすぐそばにかかる雲が雨のなか月光に照らし出され、月は霧雨の向こうでいつもより柔らかく光を放つ。水を帯びた光が照らしてくれる。目が弱くなった私に光が優しく届く。眩しすぎる光は、老眼の私にはもはや毒。強すぎる光は私を痛めてしまうのです。

お茶会のお題(?「満願成就」)に「それ、食べれそうにないんだけどなぁ」と思いつつ出かけたものの、庵主のパワーは清廉で明確で強力。おまけに今日は、天は満月パワー全開。今回も鬼の私の邪気は出る余地も与えられず。下手な力じゃない力。それを持ってる庵主に、いつも知らぬ間にまいる天邪鬼。

満願成就と名付けられた和菓子を頬張れば、天邪鬼だって魔法にかかっちゃうようで、かかってしまいました。うぅぅぅ、、、マイリマシタ。美味しすぎです!!

『もっとまいっちゃってください。やられちゃってください。もっと人生参っちゃってヤラレチャッテくださいな〜〜〜』by誰?

今日はなんだか私の小賢しい想いと違うところを見せられていた。違う誰かが働いているとしか思えないようなことが起こっていた。閉じた世界に住んでいても、繋がってなんかないと思っていても繋がって、私がどんなことを思おうと(思って変わる部分はあるけれど)勝手に動いている部分があって、どんなに孤独に閉鎖して何も見えていかないようであっても、それだけではない何かが人には働いていて、今日はそれを感じさせられて、なんだか久しぶりにほんのりと、じんわりと、知らぬ間にありがたい気分になっていた。

今日も出逢いがあった。その人のエネルギーは私にとても必要だったエネルギー。ヒーリングの類をしてもらったわけでもなんでもないけれど、私は強くて深いグラウンディングを味わった。

その方に向けて好き勝手なようなことを言いながら、途中ボリュームが知らぬ間に上がってしまう。でもその言葉は私にも必要な言葉で、私宛てにも同時に強力に発せられていた。「ええ、も〜〜、じゃんじゃんガンガンやってください!」ってな具合。みんな好きなことをやっていけばいいのだ。間違いない。心も体もそれを知っているし、それを望んでいる。

不思議だけれど、その人を見ていたら、この夏小豆島で聴いていたのと同じ波の音が聴こえてくるような気がした。ずっと聴いていたい気分だった。

昨日のお昼は寝込んでしまったけれど、でも寝込んでしまったから、今日の出逢いがあったと思うと、それもまた面白いことである。この有機的な世界は本当に妙なところがあって、だからこそ、生きていけるところもあるのだろう。

今もまた忘れかけていた波の音が聴こえる。
これからも、どうか波の音を聴かせてください。
そして、その音を聴ける私でいさせてください。

満願成就


和菓子 銘 "満願成就"
<満月の見立て>
受皿…黒地に白の釉薬 夜空に雲
満月…小豆の餡子に砕いた胡桃が入ったものを"くりまさる(特産かぼちゃ)"2mmの厚さで包んだもの
お抹茶の器…(たぶん)浩延という方の灰釉のかかった萩焼茶碗