まどみちお え 展

ここの所大好きな美術から遠ざかり気味だった気もして、久しぶりに周南市立美術館へ足を運んだ。
まどみちおという人のことは、山口県徳山市出身の方であるにもかかわらず、まるで知らなかった。そしたら、なんと、あの超有名な「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」を作詞した人であったらしい。
戦前は台湾総督府に勤める傍ら「コドモノクニ」「つづり方俱楽部」などに投稿し、北原白秋に童謡の詩を学ばれている。
徳山市西辻に生まれ。1909年11月16日生まれで今年なんと100歳。お祝いのハガキが併せて館内に沢山展示してあった。
1994年国際アンデルセン賞作家賞受賞、日本人初。
S43年はじめての詩集「てんぷらぴりぴり」出版して以来現役の詩人
50歳代はじめに集中して絵画を描いておられるらしい。1961年と1964年の抽象的絵画の展示が多くあったが、意外や意外、とても良かった。どちらかといえば具象の方が好きな私も、いいなぁって思えた。
「良くわからないけれど、なにかこのようなもの」という何か。具体的に描くと、エネルギーが落ちちゃったり、その「何か」を正確に表現できなくなってしまうことがある。その「何か」を表現するのに、やっぱり抽象画はいいなと思う。
言葉を伝えるのに、思考錯誤しながら、絵を描いたり色んな事をして、五感にも訴えながら、その心をより捉えながら、表現していく。すると現れたものに、力が宿る。まどさんの絵をみてそんなことを思った。

「人も自然も物もみんな同じ」という想いがずっとおありなのだそう。大きな大きな大きな大きな自然や愛を知っている人が持つことのできる言葉なのかもしれない。
その言葉を腑に落とすことは、今の私には出来ない。だけど、それは本当なんだって、解らなくてもいいから、その言葉を私に浴びさせておくといいかもしれない。