きよしこの夜

先日職場に来てくれたNちゃんと束の間の会話を交わした際、二人して同じように「なんか、クリスマスちゅーても、クリスマスっちゅー感じせんよねー」と言い合った。職場ではハロウィンが終わればすぐにクリスマスの飾りつけがされたから11月1日にはクリスマスモードに入っていたはずだけど、クリスマスの気分なんて限りなくゼロに近かった。唯一?その気分を味わったのは、小松亮太のコンサートのアンコールで「きよしこの夜」を聴いた時。その時だけは不思議だけど一瞬クリスマスの気分になれた。
何故、クリスマスモードになれないのか。何故、きよしこの夜を聴いてクリスマスの気分になれたのか。そう考えているうちに、小さい頃や若い頃フランスの街角で私が感じたクリスマスって「祝福」だったんだとわかった。その「祝福」の気分が、現在、街にも私にも感じられなくなっていた。

この世に生まれた事を祝福する。祝福される。
今ここに生きている事を祝福する。祝福される。
家族で。皆で。
祝福という言葉が消えかかっている。そんな感じがする。今年は音楽によって何とか少し取り戻せた。音楽によってなら何とか取り戻せるところがあるんだなと思った。今年はそんなことを思うクリスマス。