雲谷等顔展 山口県立美術館

一年に2,3回は美術館に足を運ぶ生活を長い事続けてきたのに、今年は12月に入って初めての美術館。雲谷等顔展開催中だというのは知っていたけれど、忙しかったり体調が悪かったりでズルズルと日々は過ぎ、気づけば最終日。行くのは諦めていたけれど相方さんが行こうと言ってくれたので足を運ぶことにした。結論としては、行って良かった!!素晴らしかった。
雲谷等顔という人の名前を覚えたのはいつだったろうか。若い頃は水墨画なんて余り興味なかったと思うので30代後半位から意識し始めた画家だったと思う。
山口県に住んでいれば、当然一番名が知れて皆が知っているのは「雪舟」。その雪舟が取り上げられる時はいつも?等顔の作品も掛けられていたように思う。
平日の美術館は閉館前になると人もまばらになり、ほぼ貸し切り状態のような展示室で等顔の作品を見たことがあるように思う。マジマジとみていると、いいな〜と思うようになっていった。
防府の毛利博物館所蔵の国宝の雪舟は良いなとは思うけれど、今回雲谷等顔のことを更に知って、私的には等顔の方が好みだなとも思った。因みに私が以前習っていた日本画の先生は卒業作品が確か等顔と同時代を生きた狩野永徳の模写だったと思う。先生が永徳が好きなのも頷ける気がした。(狩野永徳1543年2月16日京都〜1590年10月12日、雲谷等顔1547年長崎市〜1618年山口市雪舟1420年備中国〜1506年8月26日山口市
雲谷等顔という人は武士、高僧、etc.かなりの広範囲の様々な人との付き合いがあった人のよう。世界や風景を捉える広い視点、視野。自然や人々の暮らし、万物へ向けられるまなざし。描かれた達磨像は、怒りのような憂いのような弱弱しいようで、でも心の奥は見ているというような目。興味深かった。
2階の展示室にずらりと等顔の襖絵が一堂に飾られていて、そこは圧巻だった。以前京都の国立博物館でみたレンブラント展を彷彿させるような威厳、迫力があった。
今年は雲谷等顔の没後400年らしい。久し振りに良いものを見せて貰った。企画もきっと私好みの人達がされているような気がする。
私も雲谷等顔のように世の中を賛美できるようになれたらいいな。(無理だけど・笑)