「堀木エリ子の世界展」

谷本さんのライブが始まる前の時間を使って、山口県立美術館に「堀木エリ子の世界展」を見に行った。イヅミッティさんがライブの前に行くと言われていたので居られるかなと思ったけれど、来られてなかった模様。

会場は、いつもとかなり違うルートが作られていて、大きく漉かれたその紙で空間が演出されていた。
黄色と黄緑のグラデーションに白抜きされた丸い模様の入った10m以上?ある和紙が両側に貼られた通路は、とても面白い感覚に私をしてくれた。何処か異次元にでも入っていくような気分(笑)

何を作ってもそれは言えることではあるけれど、気持ちというのは作品に入るというか宿るもので、それが和紙という素材においては特に入りやすい気がする。考えてみると神と紙は同じ発音。両者とも「かみ」。

どのような加工が施されているのか解らないけれど、都会の近代的な建築物の中に使用してある「紙」というものは、づくづく異質だなと思う。質感の差がそうさせる所が大きいのだろうと思うけれど、私的には鉄やコンクリートが多用されている建物に、場に、和紙が調和しているとは思えなかった。でも建築物との併用は写真で見ただけで直接現場を知らないから、現地に行ってみないと解らないという所が多分にあるだろうと思う。

都会に住まない私には、それを毎日見ることで、どんな感覚を味わったり誘発するのか、よく解らないけれど、でも、紙のその異質さ加減が、堅くなりがちの心を解くものになっているのかもしれない。ふと我に還る時間を作るのかもしれない。外ばかりに向きがちな心を内側に優しく向けさせるのかもしれない。自然に目を向ける心を作るかもしれない。和紙ってそんな存在なのかな。

日本の和紙の文化。日本独特の文化。柔らかく光を反射する和紙。上手く生活に取りいれると優しい柔らかい時間を持てるかもしれない。そうすると、私も別の世界に入って行って、少しは優しくなれる可能性もあるかな(苦笑)。