銀杏 のち 十五夜(大平山ロープウェイ)

銀杏の黄緑色を見るたびに、なんてキレイな黄緑色なんだろうと思う。
色んな黄緑色があると思うけれど、私は多分銀杏の黄緑色が一番好きなんじゃないかと思う。
陸のものを食べていて、海の味がすることがあるのだけれど、銀杏も食べていると蟹みたいな味がする。美味しい茄子を生で食べるとリンゴのような味がするし味覚障害だろうか?笑 亜鉛不足だと味覚障害になるんだっけ?^^;

アートふる山口で龍福寺を見学した折、銀杏が沢山踏みつぶされてグチャグチャになっていて、救出されることが望まれるようであったので、ビニール袋を友から貰って二人して救助活動の開始。300粒以上救助したが、後は他の方に救ってもらうことにした。

銀杏大好き。小学生の頃は変な味って思って嫌いだったのにね。

そういえば、龍福寺は私がお絵かき教室に通っていた時に先生やクラスのみんなとヘルメットをかぶって見学をしたように思うが、あれから何年たったろう?2011年完成らしい。茅葺の屋根になるらしい。元々の姿に戻る。素敵だろうな。なるべく元の木を多く残すようにして新しいものと取りかえられていた。遠くで見ると解らないけれど、修復途中の材木を間近に見ると、一つ一つ人の手が作って行っているんだなぁということが実感できる。

寺院建築の木組みを見るたびに、これどうやって組んであるんだろう?と思うのだけれど、龍福寺の現場にばらして解るようにしてある所があった。その場では、へぇ〜とか少し解ったつもりになっていたけれど、もう既にどうなっていたか思い出せないというか、解らない(苦笑)。

釘を打つのではなくて、木を組んでいくことで強度を増す建築。そうして建てられた建築物が何百年も持つんだから、全く凄い。私なんぞは知る由もないけれど、沢山の積み重ねらた知恵が生かされているんだろうと思う。組むのって、組まれたものって、いい。

懸魚(げぎょ・切妻屋根の飾り)というものも間近にみた。なんだか人間のフォルムを彷彿させた。機械的に作られる工業品にはない、温かで人を思わせるような丸みがあり、色んなカーブが存在している。人の形とは違うけれど、人のような、何か生きている形を感じた。

古くからそこに存在する建物は、何も言わないでそこに立っているけれど、それがあるのとないのでは、当たり前だけどやっぱり大違いで、大きな木のように(実際木だけど)それらは只静かに、温かく人々を見守っていてくれているのだなぁと思う。

アートふる山口は普段と違った西の京の山口を見せてくれる。そこに生きる人と共に、普通に暮らす人と共に、外からの人も楽しませてくれる。そんな中で、今も昔も、変わらず香る何かをふと感じる時や場所がある。山口は嫌いといいつつ、その僅かに香る何かが好きで、それを感じたくて山口に出向く天の邪鬼の私(苦笑)。

友が、銀杏は紙袋に入れて電子レンジでチンするといいと教えてくれたので、家に帰ってから早速トライした。風味という面ではややどうかな?という気もしたけれど、殻もはじけてくれて確かに楽チンだった。

銀杏、植えてみようかな。敷地広くないからやっぱ、止めとくべきかな。



*  *  *  *  *


アートふる山口の帰り道、おとなげないけど、行く予定だった某所のお月見会を急きょキャンセルして、ロープウェイに乗って大平山の頂上へ上った。

途中から眺める防府の夜景はとても美しかった。
美しいものをみると、ゼロに戻る。
美しいものをみると、生きる力が芥子粒ほどのそれが喜ぶ。
この夜景を見ることができてよかった。
救われた。

ロープウェイで上っていく途中、ふと、好きな高さがあるんだなと思った。
結構低い高さから見る夜景も好きなんだなと思った。
人々の生活も感じられるような高さからみる風景。その視点(高さ)は好き。
中途半端な気がしてあまり好きでない高さもあった。
それから、大分上から見た景色、頂上からみた景色、それらの位置(高さ)は人々の生活から遠く離れた気分の位置だったけれど、そこから眺める夜景もまた好きだった。

光害も指摘されているけれど、でも夜景はいい。
電力消費はまずいかもしれないけれど、でも夜景は好き。

風も強かったせいもあるかもしれないけれど、頂上は気温が随分低く感じられた。
でも寒くても美しいものを見ていたら、気は萎えない。
寒くても美しいものを見ていれば大丈夫。

頂上で天体望遠鏡で月をみせてもらった。赤いジャケットを着たおじさん方は、多分防府のソラールの人達だったと思われる。

うろこ雲がかかって、雲に隠れたり出てきたりのお月さま。
それでも天体望遠鏡から眺めたお月さまは、ものすごくキレイだった!

太陽に照らされた銀色のお月さまは、一瞬儚げにも見えた。

ただただ美しい その存在感
そのまま そこに 在る

想い出そう、この銀色の月を
悲しい時も、嬉しい時も

そしたら大丈夫

想い出そう、この銀色の月を
迷った時も、辛い時も

そしたら大丈夫

こんな美しい月をみることができて、みせてもらうことができて、本当によかった。
ありがとう・・・