CONCORD JAZZ FESTIVAL IN JAPAN 2018 @阿武町

去年Village@萩でのジャズコンサートで知ったタナ・アキラという人。顔が気に入って(笑・勿論演奏も)その時ボサノバのCDを一枚買って帰ったら、私的に凄く良くて、そんなこんなでまたタナさんが来られるというので、週末小さな町のビッグなコンサート(CONCORD JAZZ FESTIVAL IN JAPAN 2018)へ行ってきた。
開催場所の阿武町は人口3500人程度の小さな町らしいけどよいコンサート会場をもっていて少しびっくり。小さな町でも素敵なホールがあるということは素晴らしいことだなって思う。
私はジャズの世界はほぼ知らないので、タナさん以外知っている演奏者はおらず(苦笑)。でも有名な人達が来られているらしく、このジャズフェスティバルには遠くは千葉や長崎からも来られている人があった。町長さん、お百姓しておられるようなお爺ちゃんお婆ちゃん、ハイソな奥様って感じの人、色んな人が来られていて、私的には理想的!でした。

演奏後にサインを貰ったあと、偶々人が途切れたのでタナ(田名 照)さんと少しお話しする事ができました。日系二世のタナさん、なんとお父さんは山口県出身の方で、両親ともお寺の人(浄土真宗)なのだそう。戦前に北海道からアメリカに渡られたそう。きっと苦労も沢山されたに違いありません。タナさん「僕は音楽で説法・布教していますハハハ」と言われていました。小さい頃から音楽は常に身近にあったとのこと。お母さんはお琴をされていたとか。

タナさんのドラムはピッチがものすごく正確で、以前購入したボサノバのCDを聴きながら、どうしたらこんなに正確なピッチになるのだろう?運動能力の高さも要るよね?と思っていたら、案の定、小さい頃から運動もとても得意で勉強も運動もしっかりやっていたと言われていました。ドラムは9歳か10歳位から始められたそうです。タナさんは音の量のコントロール(移行)がまた正確で、体の力の使い方、移動のさせ方が上手いのか。感性は勿論だけど、それを表現できる運動能力、練習、・・・ある種絶対量は必要よね。後必要なのは…他への思いやり?

自分のドラム(ソロ)の事を「やまかましかったでしょ?ワハハ」と何度も言っておられたのが可笑しかった。

2011年の震災をきっかけに結成されたOTNOWAのCDは数か月前に出されたばかり(日本での発売は無く、わざわざタナさんが持って来られたものらしい)。今も忘れず、なにがしかの活動を海の向こうの人達がして下さっているということ。有難さに改めて合掌するばかり。

購入したCD「愛燦燦」は曲の選曲が面白し。あんたがたどこさ、とか、太陽にほえろのテーマソングとか・・・バラエティーすぎる。
Antagata Docosa/Ai San San / Hinokuni Ryojo / Habu No Minato / Mura Matsuri / Hamabe No Uta / Summer(Joe Hisaisi) / Taiyo Ni Hoero / Tsunagareta Tairyo-bata / Kando(For Chris Iijima) / Peace

今回のジャズフェスでボーカルを担当されたニッキ・パロットさんはベースを弾きながらボーカルもされるという珍しいスタイルの方。ステージに出てこられるなり、そのカッコよさに、わたくし思わず、OH〜と声がでました。カッコイイけど声がすっごいチャーミング。大きな愛のある母性も感じる素敵な女性でした。貧しい子供たちに向けて音楽の楽しさを届ける活動もしておられるそう。どうりで私が好きになるわけです。購入したCDはカーオーディオで聴く分には支障はないけれど、再生する機器によっては噛み合わない感じがありました。

4枚買ったCD中で一番良かったのがJohn di Martinoさんがピアノを弾いておられる「impromptu」。日本での発売されていない?のが残念。ものすごく良し。打ち上げ時に握手してもらいに行ったら、テンション高くなっている私にがジョンさんが名刺をくださいました。喋りたいけど、英語がまるで出てきません。。。△△△、〇〇〇、ニューヨーク(ここだけ聞き取れた・苦笑)で弾くから是非どうぞ、ってな感じのことを言っておられたと思うけれど、勿論行けるわけありませ〜〜ん。同じテーブルだったご夫婦は、ジョン氏の演奏を聴きに広島から来たと言われていました。ファンになる気持ち、解ります。

ジョン氏はどこ出身の方だろう?って思っていたら、旦那が名前から(推測)したらイタリア系だなと言っていて、確かにパッと見が、ちょっとマフィアっぽかったかも(←こんなこと書いていいのか?^^;)。調べてみるとコンポーザー、アレンジャー、多彩な顔をもつ人のよう。とても穏やかで優しい目をした人でした。今回は1枚しかCDを買っていないけれど、アマゾンで他のアルバムを購入して聴いてみたい。

タナさんがトイレから戻られて、私の目の前でジョンさんと握手を交わされて、偶々そこに私がいたので、スリーショットで写真を撮ってもらいました。天照大御神ではなく、タナ照大御神と言っていた相方さん。とてもレアな写真を撮って貰えました。

タナさん、良い。好き。先日聴きに行った山中千尋さんのジャズは、連れておられたドラムの人の演奏がいい加減で(オーディエンスも良くなかったのかもしれないけど)あまり面白くなかった。上原ひろみを聴いた時は、ピアノはさることながらドラムの人がまたすごく上手くて感動ものだった。ドラムの人が刻むリズムが与える影響って大きいのだと改めて知る気分。このタナさんのドラムによるアルバムは外れがないんじゃないかと思う。タナさんはソニー・ロリンズとか私でも名前を知っているような人との共演もあっておまけにハーバード出身なのに、まるで近所のお爺ちゃんって感じ。本当に力量ある人は偉ぶる事もなく、気負いもなく、優しくて、自然で、フレンドリー。タナさんの横にいくと優しい住職の側にいるようで気持ちよかった。

打ち上げ参加予定で行ったので、当日は萩に泊まることにしたら、チェックインの際、今回のジャズコンサートのメンバーがホテルのロビーに集まっておられました。プロデューサーの人が「ジョンは(来たか)?」とフロントの人に訊いておられたけど、私達がコンサート会場に到着した際「リハーサル延長のため開場30分遅れ」と張り紙がでていて(結局予定どうりに始まったけど)、場所が場所なのでジョン氏の到着が遅れたに違いありません。でも、初めて音を合わせる人たちと、僅かなリハーサルでパッと合わせられる人達。そして、そんなジャズという音楽。すてきですね。

多くの人の熱意で開催されたコンサート。Villageのマスターがおられなかったらこんなコンサートはないし、マスターの奥様の陰のサポートも必須。Villageのマスターが(名前を知らないけど)あのプロモーターの人との付き合いがなければこれまた出来ないコンサートだし、阿武町があのホールを持ってなければできないし、主催の町民のチケット売りの努力(300枚位まではすぐに売れるけど、残りは業者さんとかに頭を下げて一軒一軒まわっておられるそうです)がなければできないし、。

プロモーターの人はそれなりに高齢のように見えたし、儲けがでるようなイベントにはとても思えないし、あと何年頑張ってもらえるか解らないけれど、多くの人の心意気を感じて、これからも続けて欲しいものです。

いい音楽に触れると、あちこちすべてに感謝したい気分になります。そんな素晴らしい小さな町のビッグなジャズのフェスティバルでした!