二井関成山口県知事の記者会見録からの抜粋

山口県人でありますので、やはり、その県のトップの人の言動は気になりますね。山口県民の皆さん、ご当地記者会見でございます。

さすが?東大法学部卒。どの法律をピックアップして持ってきて、自分の味方につけるか。それを選択するのは、個人。

国の意向がどうあろうと、山口県は、県民の命を最優先に考えるので、原発辞めます、なんちゅーカッコエエことを他県に先んじて言ってくれんかね。

知事さん、原発ストップすると、どこか違法になるんですか?それとも、如何しても原発をやりたいんですか?


【以下転載】

平成23年3月24日、二井関成山口県知事の記者会見録からの抜粋です。

http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a11000/interview/110324.html

以下、コピー。


知事

 土地利用計画が確定をしていれば、免許を出すことができるということになっておりましたけれども、今のままでいいのかどうか、一般的には、それでいいと思うのですけれども、今回の大きな事故を踏まえて考えたときに、果たして、今のままの解釈でいいのか、もっと細かく言えば、埋立を許可より前に先行させていいのかどうか、ということを、法律解釈上、検討しなければいけないということです。


朝日新聞

 現行の解釈であると、原子炉設置許可よりも前に、埋立を許可するということは当然できるわけですね。それができるかどうかを、あらためて検証しなければいけないと。
 

知事

 それが法律解釈上、今の考え方のままでいいのかどうか、この辺を国に確認をしなければいけないということです。
 

朝日新聞

 もしそれで駄目となったときに、過去の免許を出したときにさかのぼって、その時の解釈はやはりいけなかったので、取り消すというような運用が、実際にできるものなのでしょうか。

 
知事

 今の法律上は、法令違反等がないと取消しはできません。ですから、その辺も含めて、全体的に、この問題について、どう考えていくのかということを、これから整理をしていきたいと思います。私としては、この前も申し上げましたように、この中断は、かなり期間が掛かると思いますから、この問題については、じっくり検討していきたいと思っております。

 
朝日新聞

 上関町、国、あるいは県の当事者がどう進めていくかというのとは別に、今回の事故で、国民の間に、相当、それが明確なデータに基づいているかどうかは別として、原発というものに対する恐怖心というものがすごく広がったのではないかと思いますが、それで、原発の新規立地というのが、現実的に、あるいは政治的に、上関町で可能なのかどうか、かなり厳しい面もあるのではないかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

 
知事

 これは、今の時点で申し上げるべきではないと思います。今も、まだ、事故が続いておりますので、早く事故が終息して、その後で、今、いろいろな問題が起きておりますから、それらを全体的に整理した中で、これからの国のエネルギー政策をどうしたらいいのか、ということの中で、この上関立地問題も考えていく必要があると思っております。基本的には、国の動向、それから上関町の意向、そして、県として何をその中でやるべきか、ということを、しっかりと考えていきたいということです。

 
毎日新聞

 今回、工事中断はかなり掛かると、今、おっしゃいましたが、それは、知事の任期中の工事の再開というのも厳しいということですか。

 
知事

 そこまで細かく申し上げているわけではありませんけれども、今の事故の状況から見ると、かなり掛かるのではないか、と思っているということです。

 
毎日新聞

 かなりというのは、どれくらいと。

 
知事

 どのくらいというのは、分かりません。1、2カ月というような短い話ではない、ということです。

 
山口放送(KRY)

 設置許可申請と公有水面埋立てとの絡みを、今、お話しになりましたけれども、それは、今回の免許が失効した後の想定、埋立免許を出すか出さないか、その辺りもにらんでいらっしゃる。

 
知事

 にらんで、というよりは、そういうことも含めて、全体的に検討してみなければいけないということです。従って、今、具体的にどうだという私の結論を出しているわけではなくて、こういう大きな事故が起きましたので、公有水面埋立法との関係で、われわれとしては、どういうふうな形で、今後のことについて整理をしていったらいいのか、ということの一つとして、今のような課題を申し上げたということで、もちろん、まだ結論的なものを出しているわけではありません。
 

毎日新聞

 一応、確認なんですが、知事の立場として、この事故を受けて、原発建設を中止すべきだというまでには、踏み込んでいないわけですよね。
 

知事

 ええ、そこまでは踏み込んでいません。これは、国の動向等もありますから、そういう動向も見ながら、私としては、取りあえずは、先ほど言いましたように、知事意見をどうするのか、それから公有水面埋立法の解釈運用についてどう考えるべきか、ということを検討していくということです。

 
テレビ山口(TYS)

 その大前提にあるのが、国の今後のエネルギー政策と、地元の政策選択という2本柱になっているということでいいんですか。
 

知事

 そうです。

 
時事通信

 公有水面埋立法の解釈というのは、安全担保という意味合いなのか、免許権者として責任を負いかねないという意味なのか、どちらですか。公有水面埋立法の解釈というのを、埋立てが先行してしまうというのが問題なのではないかというのは、安全性を確保するためにという意味なのですか。

 
知事

 安全性と言いますか、それは解釈上できるかどうか、分かりませんが、公有水面埋立法上、先ほど言いましたように、土地利用計画が確定すれば、免許を出すことができるというのが、これまでの解釈なのです。一般的にはそれでいいと思うのですけれども、今回のような大きな事故が起きたわけですから、原電立地について、解釈上、今のままでいいのかどうか、ということを、もう1回、国の方にも確認をしながら、解釈運用を広げて考えることができるのかどうか、その辺を確認をしていかなければいけないということです。ですから、原電立地だけではなくて、許可と埋立てとが絡んでくるようなケースですよね、そういうケースについて、どう考えたらいいのかというようなことも、今回、考えなければいけないだろうということです。これは、当然のことながら、法定受託事務ですから、国の法律解釈の考え方の中で、整理をしていかなければいけませんので、私は、今の段階では、何とも言えません。

 
時事通信

 解釈を変えると、安全性を確保できるということなのですか。それとは関係ないのですか。


知事

 安全性ではなくて、許可との関係でどう考えるかということです。だから、原子炉設置許可がされていない状況の中で、今、埋立免許を出しているわけです。これは、現在の公有水面埋立法上は、それでいいことになっているわけです。しかし、これだけの事故が起きたわけですから、許可が出る前に埋立てをしていていいのかどうか。はっきり言うと、埋立てをしたけれども、許可が出なかったと、そういうことがあったらどういうことなのか、ということなのです。

 
朝日新聞

 先ほど、知事が国のエネルギー政策に協力するということと、上関町の政策選択を尊重するという従来の方針に変更はないとおっしゃいましたが、今回の事故でも、福島第1原発のような事故が起きると、地元の自治体だけではなく、当然、周囲の町や村とか、あるいは、当然、県も全域ですし、他県にまで避難をさせたりという、要は地元の町だけの問題ではなくなってきているわけですね。そういう意味から、2本柱だけでいいのだろうかという考えも出てくるのではないかと思うのですが、その辺りは変更する必要はないのでしょうか。

 
知事

 今のところは、もう、今の考え方の中で、それにプラスアルファをどうするのかというのは、これからの状況を見ながらですから、先ほど言いましたように、今は、まだ事故が続いている状況ですから、これが完全に終息して、そして、じっくり考えないといけないということだと思います。
 

朝日新聞

 例えば、かなり将来の話、仮定の話になりますが、上関に原発ができて、原発による事故が起きたときに、当然、上関町以外の県内の自治体であるとか、広島県とか愛媛県とか、周辺の自治体にも大変な影響が出るわけなんですけれども、その時にさかのぼって、上関町の政策選択と国のエネルギー政策を尊重したというだけで、後は事業者ということになるのでしょうが、その3者だけで責任が全然負いきれない事態になるわけですよね。
 

知事

 ですから、今は、そこまで考えるときではなくて、もう少し状況を見ながら、どういうふうに、今言われたような問題を考えていったらいいのかということも、今後、検討していかなければいけない課題になるかな、という感じはしますけれども、今、断定的にどうだということは申し上げられません。今までは、ずっと、先ほど言った2本柱の中で考えてきましたので、事故が収まって、それから、国の方も具体的に検討もされるでしょうし、いろいろな状況を見ながら、また、県としてのスタンスは、今のままでいいのか、ということは、当然、考えていきたいと思っております。
 

山口新聞

 先ほどの、埋立免許と原子炉設置許可の関係の中で、埋立てをやったけど許可が出なかったらどうするのかということに言及されましたけど、上関で実際にそういうことが起こると考えられているのですか。

 
知事

 どういうことですか。

 
山口新聞

 埋立てをやったけど、原子炉設置許可が下りない可能性を考えられていますか。

 
知事

 上関でそういうことが起きるというよりは、国の方が、今まで、ここまでやっていれば事故が起きないというふうに想定をして、許可をしてきたわけですから、今回、それを超える事故が起きたので、国として、今回の事故のようなものを防ぐことが、今後、技術的に可能なのかどうか、ということをしっかりと検証しなければ、これは許可が出るかどうか分からないという状況になってしまっているのではないか、ということです。従って、国の方で、今回の事故を踏まえて、コントロール、今回のような事故も、要するにコントロールができるのかどうか、その辺をしっかりと検証してもらいたいということです。ですから、その辺の検証ができる前に、埋立工事を進めていたのではいけないということではないか、ということもあって、先ほど言ったようなことを申し上げたということです。
 

日本経済新聞

 繰り返しで申し訳ないんですけど、要するに、埋立ての許可をした前提になった土地利用計画自身に疑義が、こういう事態が起これば、疑義が生じているということなんですよね。

 
知事

 土地利用計画そのものではなくて、今回の事故というのは、土地利用が問題だったわけではなくて、むしろ技術的なレベルの問題だったと思うのです。想定以上の災害が起きたことによって、コントロールできなくなってしまっているわけですから、私は、その辺が技術的にクリアできるかどうか、ということではないかと思っています。ですから、その辺を、国の方で今後、しっかりと検討してもらわないと、今の中断から、工事の再開にということにはならないのではないか、と思います。

 
日本経済新聞

 同じことをもう一度聞きますけれども、要するに、利用計画、前提となったものを見直さない限りは、許可をした前提が崩れているということですね。

 
知事

 土地利用計画が確定すれば、ということになっていたわけです。ただ、土地利用計画が確定していたという条件だけでいいのかどうか、ということなのです。土地利用計画そのものは、許可とは関係なしに、今まで、土地利用計画に基づいて、埋立てをしたケースもたくさんあるわけです。今回は、別に許可を伴うものが絡んできているものだから、今までは別建てでいいという法律解釈だったのですけれども、そういう、許可が伴うものでも、やはり技術的に心配があるようなケースについては、もっと解釈を広げることをすべきかどうか、そのことが、法律上できるのかどうか、その辺を、しっかりと確認をしていきたいということです。

 
時事通信

 重ねて同じような質問なんですけど、その原子炉設置許可申請は、設置許可が出れば、国としては安全性を認めるという段階にあると思うんですけど、その前に埋立ての許可が出てしまうというのは、安全性にとって問題なのではないか、というご指摘なんですよね。だから、原子炉設置許可が下りた後に、埋立ての許可もなされるべきではないか、というのが、知事の立場ということでいいですかね。

 
知事

 立場というか、私は、公有水面埋立法の解釈上の話をしているのです。あくまでも、法定受託事務としてやっていますから。そういうふうな解釈ができるのかどうか、ということです。

 
時事通信

 原子炉設置許可の後に、ということですよね。

 
知事

 そうです。そういう解釈が、できるのかどうか、そこまで私の裁量権があるのかどうか、ということも含めて、国の方に確認をしないといけないということを申し上げています。

 
中国新聞

 今の知事の考えとしては、やはり、許可より後に免許じゃないか、というのが、今回の事故を受けての感想ということですか。
 

知事

 そうですね。ただ、それが、法律解釈上できるかどうか、ということです。
 

中国新聞

 そういう形で改善というか、変えていくべきじゃないか、ということを国に提言していくという、そういうことですか。
 

知事

 その辺も問題提起しながら、解釈を検討してもらいたいと思っています。

 
山口新聞

 ということは、今の原子炉設置許可が下りないと、中断している準備工事は、再開できないというふうに考えてもいいのですか。
 

知事

 今のところ、そこまで断定的には言えません。まず、解釈の確認をしなければいけませんから、その辺の確認をしてからということです。
 

毎日新聞

 許可より後に免許となると、知事が最初に埋立免許を出したときに、上物については県が是非を判断するわけじゃないと、あくまで、出してきた申請に基づいて、ということは、許可より後に免許となると、原発の判断というのも県がするということですか。
 

知事

 そんなことはないですよ。原発の設置についての判断は、あくまで、国がやるわけですから。

 
毎日新聞

 原発の許可が出た後に、埋立免許がいいですか、どうですかとなると、原発の是非自体を県が判断することになるのではないですか。
 

知事

 要するに、原子炉設置許可は、国がするわけですから。
 

毎日新聞

 国がお墨付きをですね。

 
知事

 ですから、法律的には全然別なのです。法律的には全然別なのですけれども、今回、これだけの事故が起きたので、どう関連付けてやらなければならないのか、関連付けることができるのかどうかということを、考えなければいけないということです。だから、私が、今、断定的に申し上げるべきことではなくて、何度も繰り返しますが、法定受託事務として県がやっているわけですから、国の解釈運用について、もう一度、確認するということです。
 

日本経済新聞

 ただ、実際には、原子炉設置許可をするにしても、その前提の土地利用計画のところで、安全であり、適合であるという前提の上に、一連の流れに手続きはなっているわけですから、その中で言うと、原子炉設置許可だけを取り外して考えたり、その前段になった土地利用計画だけを取り外して考えたりと、実際には、できないと思うんですよね。だから、その辺の解釈ということを言われているんだと思うんですけども、それを、要するに、もう一度、国のスタンス、解釈を聞きたいというのは、実際には何を確認されるのですか。繰り返しですけど。
 

知事

 土地の利用計画は、一応、確定をしているわけです。けれども、これだけの事故が起きているわけですから、その土地利用計画を見直さないといけないということがあったら、また根っこから戻るわけです。土地利用計画は確定しているけれども、その中で出てきている上物について、やはり問題が、今、原子炉許可申請をやっているわけですから、今回の事故を踏まえて、問題がある可能性もないとは言えません。もう少しレベルを上げないといけないとか、そういう技術的な問題もありますから、その辺が、ある程度、国の方で方向性が出なければ、許可ということにつながっていきません。許可されるかどうか分からない状況の中で、先に埋立てをどんどん進めることがいいのかどうか、ということが、今、問題ではないかと思います。従って、その辺が、法律的にどうなのかということを、詰めていきたいということです。
 

朝日新聞

 もし、その解釈が変わり得るということになった場合、先ほども聞きましたが、そうすると、過去に知事が出した免許に、何らかの瑕疵(かし)があったということになって、それが取り消されたり、更新されなかったりする可能性はあるということなんでしょうか。そうでないと、それを検討することの意味自体がないですよね。もう免許は出ているわけですから。
 

知事

 ですから、もしそういう解釈がとれるということになれば、今、出している免許との関係で、どう整合性をとるかとか、そういうことも、国とよく協議をしなければいけない、ということが出てくるということです。
 

朝日新聞

 その整合性というのは、免許の効力について、変更が有り得るということなんですか。
 

知事

 今、まだ、細かくは言えません。

 
毎日新聞

 解釈を検討するんですよね。ということは、県が出した埋立免許の取消しについても検討するということですか。
 

知事

 いえ、取消しは、今、法律上、法令違反等がないとできません。
 

毎日新聞

 ただ、その枠組みを変えるという話を先ほどからされているわけであって、その大きな意味で言ったら、取消しについても考えていいんじゃないかなと思うのですが。

 
知事

 それは法律上の話ですから、法律の上で、私は判断しているということです。ですから、免許の取消しはできません。ただ、一方で、今、中断をしているわけですから、私としては、中断というのは、そういう国の方の方向とか何とかが決まらないと、再開ということに結び付きませんから、それとの関係、それから、その次のことを考えたときに、今のような課題があるということで、全体的に、私が見て、整理をしておかなければいけないということを、申し上げているということです。


〜〜〜〜転載ここまで。

今日の拾いもの  http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20110510/1305020257