幸せな一日

今日は幸せな一日だった。
朝は実家のすぐそばの電線にツバメがカップルでとまっていて、足元には何処で目覚めたのか解らないけれど一匹の蛙さん。沢山植えたチューリップも満開。

例年ツバメの我が家(実家)への飛来は3月30日か31日。それが去年最初に見かけたのは3月24日で、今年は3月20日に見かけた。段々飛来が早くなっている。去年は飛来してくれたものの、結局一度も孵化させることができなかったツバメさん。今年はちゃんと新しい命を育てることができるかな。

午後からバイオリンリサイタルへ出かける前に、小野田の竜王山に相方さんが連れて行ってくれた。お花見に行きたいなと思いつつも上手く都合がつけられずにいた私。行きたいなというテレパシーが相方さんに通じたのだろうか。

小野田の竜王山には通勤が宇部方面だった若い頃、毎年とても楽しみにして出かけていた。仕事帰りに初めて竜王山の桜を見に行った時の事は忘れられない。就職してからまだ日も浅くまだ初々しかった私は職場の人の薦めで仕事帰りに竜王山の花を見に出かけた。木々に囲まれた道を上って行くと晴らしい眺望が広がっていた。今回は車から降りずに素通りするだけの予定だったけれど、頂上まで上がると丁度駐車場に一台ほど空きスペースが出来たので車から降りる事ができた。車から出てみないと分からない外の空気。一面に満開の菜の花が揺れていて、その濃い香りがまた素晴らしかった。肥料をあげているのかしら?車から降りなければわからなかったこの香りは過去の記憶を呼び起こした。

まだ母が生きていた時のこと、私の運転で頂上まで上がり一緒にお弁当を食べた。発病後だったと思う。どこかに寂しさや辛さを抱えながらも、お天気の良い日の花の下のお弁当は長閑だったし、母が側にいることで何となく安心だったし幸せだった。

竜王山に向かう途中も、過去に私が在籍した職場の建物やお花見で利用した公園を通ると当時の事を想い出した。大好きだった上司の事などなど。あれから約四半世紀。色々なことが変わっていった。

過去を振り返ると同時に、未来への提案をひとつ相方さんに言ってみた。「いいよ(OK)」と返事をくれた。先の事はまだ見えないし解らないけれど、そして私もいつまで生きているのかわからないけれど、でも小さい範囲で少しずつでいいから良い方向に、楽しい方向に、向かうといいな。