アトナール設立10周年コンサート

山根先生が代表をされているアトナールという現代音楽の研究会のコンサートへ行った。
「設立10周年記念コンサート、7th Atonal Concert 映像と現代音楽のコラボレーション At the time.....On the East Coast 東海岸の作曲家たち」

現代音楽などチンプンカンプンだし、東海岸の作曲家たちといっても、これまた全く知らない。でも単に山根先生(のピアノ)が好きなのと、あとは、5月にある長屋さんのライブのポスターを貼らせてもらえたらいいなと思って行ってみた。

秋吉台国際芸術村は出来てからもう8年位経っているようだが、今回初めて行ってみた。あたりに何もないような道を走っていくと、そこだけ近代的な建物が建っていた。確か磯崎新氏が設計された建物だったような気がする。建物が建ったとき、全く行政ったら、箱物だけ税金投入して、ポカポカ建てるよね(ちょっとムゥ(ーー;))って思ったら、案の定、現在かなりの赤字経営であると同行の方から聴いた。不便な場所だけれど、借景というか、立地はとても面白い場所だった。しかし、如何考えても、地域とは繋がっていない感じ。まずは、地元の人が夕食の後にでも、ふらりと音楽を気軽に楽しめるような場所であるほうが、いい気もするけれど。。。

調べてみたら、運営母体は、財団法人山口県文化振興財団。協力機関/協力者 山口県山口県教育委員会秋芳町秋芳町教育委員会美東町美東町教育委員会、美称市、美称市教育委員会文化庁(1997〜2000年)。県や地元の市や町のお金も使われているのだろう。文化庁からの協力は1997年〜2000年までということは、もう打ち切られているのだろうな(笑)

そんなことは、さておいて、今回のアトナールの演奏は、映像とのコラボレーション。
プログラムを見ると1920年前後から1990年前後を生きた東海岸の作曲家たちが多い。何歳頃に作られたものか解らないけれど、マンハッタン島などが街を形成していく前の気分もどこか感じるような気分もあった。大戦をはさんで生きた人たちであることは間違いない。音楽家達は、第I&Ⅱ次世界大戦のことをどう思っていただろう?現代音楽といえども、私には一昔前という感じ。どちらかと言えば、逆の立場から出でたソウルフルな曲の方に、ひょっとしてより共鳴してしまうかもしれない。

単純に言えば、現在の山根先生の弾かれる即興音楽の方が好き。たぶん山根先生が好きなんだな(笑)。北欧の曲を集めたCDを是非に出してもらいたい。

他に好きだったのは、フルートの桑原奈緒子さんという方と、黒いドレスのソプラノの本間みどりさん(かな?)。今までフルートの音をいいと思ったことが一度もないのだけれど、穏やかに落ち着いた音色を出される方で、とても癒された。ソプラノの本間さん(?)も、上半身からだけでなく、深いところから全部開かれて湧き出てくるような声が、豊かで力強くて素晴しかった。

山根先生の演奏は、降って来るような感じがやっぱり他の人と違うねぇと、一緒に行ったIさんも仰っていた。しか〜し、Steinway&Sonsは音響の所為もあってか、今回のチョイスされた現代音楽の音楽家達の演奏に限って言えば、山根先生とは、一寸マッチングが良くないかなという感じもしないでもなかった←時代とピアノの音色がしっくり来ない感じ?(笑)。(ワガママな一感想です。大目に見てね m(__)m っていうか、山根先生、あのSteinway&Sonのピアノは音が尖って縦にですぎで弾き難そうにみえたんだけどねぁ)

「ここのホールは響きすぎというほど響く」と、同行のH先生が仰っていた。確かに響くといえばよく響く。高音の響きはよいかもしれないが、個人的にはシミュレーションとして現わされる音の響きばかりを追い求めすぎたのでは?と言う気がしないでもない。音が跳ね返りすぎって感じ?まあ、好みの問題で、今まで、こんな響きを聞く機会がなくて、耳慣れないというのもありましょうが(^^ゞ)。野暮な私には、この場所の音や空間は洗練されすぎ(~_~;)なのかもしれない。 天井が高ければ教会のように?音は響くだろうけれど、重厚な響きはどうやったら低く響いていくのだろう?建物の素材?空間の広がり?設計者や施工者の意識?

人々がホールに入って、その人々(聴衆)の服や心に入っていく音は、音響設計の際に、あまり重視されなかったのではないかなぁ?(なーんちゃって)。舞い上がりがちで、地に足のつかない私は重低音も欲するのだけど、近年の人々の音の好みはキレイな高音質を追求しちゃうのだろうな。脳梗塞気味の私の脳は、もっとぬくもりのある音を欲していると思われ。(笑)

映像の方も面白かった。移り変わっていく映像によっては、キレイだなぁって思ってポーッといつまでも見ていたいような映像もあった。音楽もそうだけれども、映像もそれを創る側の意識が反映されると思う。映像を撮った人の脳波にシンクロする所もあると思う。私には私の好きな周波数帯があるのかなぁ。セピア色に処理された映像は、今の時代を撮っておられる(らしい)のに、ある種の時間のフィルターを被せてあるように見えて、現在と過去を同時に客観的に見せてくれる感じで、とてもよかった。現在なのにちょっとしたタイムラグが物事や人物を客観的にみせてくる。ちょっと過ぎ去ってみると、そのなかにとても美しい表情があったりする。一寸のタイムラグ、ちょっと多めのタイムラグ? 自分を時間差で次々に観ていくと面白いのだろうなぁ。

映像を制作されたのは、初めてお会いした(ひょっとしてひびきの森であっていたかもしれないけどお互い気づいていない)Sさんという方の弟さんだったらしい。遠巻きにアーチストの方々を眺めるのは、密かに楽しい(ホホホ)。演奏の後に、機材など見させていただいた。アーチストの方々の捕われの無い自由な気質が羨ましい。


今回は、Iさんのお陰で、2階の真正面というとてもよい席で演奏を聴く事ができた。ありがたかった。運転はSさんという方にしていただき、おまけにHさんが知り合いの方に声をかけてくださって、無事に長屋和哉さんのポスターも貼らせてもらうことができ、チラシもおいてもらえ、ついでに、Hさんが山根先生の教室に置いて貰ってあげるとのことで、チラシを託けることまでできて、更に加えて書くと、車を止めさせてもらったひびきの森で、Rさんにはヒーリングまでして頂いた。

とても安価(1500円、高校生以下無料)で二時間半ちかくも楽しませていただいた。その演奏者の方々の善意に感謝するとともに、今回御一緒していただけた皆様にも、重ね重ねありがとうございました\(~O~)/