「お助け!シュロの糸」藤原結菜さん

何気なくTVをつけていたら、「山口県美祢市に…云々」というフレーズが流れてきた。全国版のテレビ番組内で美祢市が紹介されているなんて何だろう?と思ってTVに目を向けると「お助け!シュロの糸」というタイトルで藤原結菜さんという可愛い中学生の女の子の姿があった。

小学3年のとき、田んぼの横にあったコンクリートの側溝にカエルが落ちて流されてるのを見た結菜さん。カエルは側溝に落ちてしまうと這い上がれず死んでしまうことを知った。「なんとかしてカエルを助けたい...」と思ったそう。カエルを助ける為の命綱を試作し、かえるを捕まえてきて実験を繰り返し、実験結果からまた考え、試作し、結果をまた分析し、そして5年かけてたどり着いたのが「お助け!シュロの糸」。シュロの木の外皮の繊維をはぎとり、中にミズゴケを入れて丸め棒状にし、その棒を三つ編みにしたものが「お助け!シュロの糸」。自然に優しい素材で、身近にあるもので作れて、お金もあまりかけずにつくれて、何よりとてもかえるに優しい。その「お助け!シュロの糸」を携えて、側溝のある田んぼを持っている近隣のお年寄りに、取り付け許可を請い、自らで設置も行っていた。

環境保護とか自然を守るというものはこういうことなのだと思った。只ひたすらに、カエルの命を救いたい、なんとかしたい、と思い続けた心優しい女の子。観察を続けて、実験を続けて、思考錯誤し、そして発明した「お助け!シュロの糸」。すごい!感動した。

自然との共存なしでは私たちは生きていけないのだから、生きていけるための、小さな行為が大切。そしてその大切さを自覚して続けて行かなければいけない。頭でっかちになりすぎることなく、小さな命のために、それぞれの命のために、大きな自然の為に、何か少しの事を続けること。それが続いていたら、きっと、ずっと、ちょっと、でも、とても、幸せ。

実家の庭の北側に父親が生前に植えたシュロの木が1本生えている。1mにも満たない小さな木だったけれど、知らぬ間に大きくなって今3m位だろうか。皮もモシャモシャ沢山あるので、まずはミニチュアストラップでも作って心の拠り所の一つにしたいと思う。結菜ちゃんへの多大なる敬意と共に。