ご近所Kさんの訃報

昨日珍しく朝早めの時間に実家に帰っていたら、同じ班のNさんが勝手口から声をかけられた。「Kさん、昨日の夜亡くなられたって・・・」。え?ホント?と返す私に「本当に・・・」と答えられた。何十年も住んだ山口の実家。時々しか顔は見なくても何十年も同じ土地にほぼ同じメンバーで住んできた。ご主人は定年退職後割と間もなく亡くなられて一人住まいは長かった。面倒見もよく行動的な方だったので、地区の婦人会長も長い事されていた。私が母を亡くして一人住まいになってからは、勝手口に時々野菜を置いていって下さった。道普請の時はいつも一緒にガンゼキを手に墓参道の掃き掃除をした。前の夏に、めずらしく我が家でよく咲いたイチハツをみて、株を分けて欲しいと言われたので、近くに植えていたオリエンタルリリーの球根ともども掘って差し上げた。転居してしまって、なんだか寂しいというと、「また帰ってきたらええわぁねぇ」と言って下さった。ペースメーカーを心臓に入れられてからは暫く息子さんの所で同居しておられたけれど、一人が気楽だし、長年住んだ家が一番いいと戻ってきておられた。一人で気楽ではあったかもしれないけれど、一人で住まうというのが大変なのは、私にも解る。車の免許を返納されてからは行動範囲が狭間って、「それでもいきていかんといけんからねぇ」とパッチワークをされていた。そんなに頻繁に姿をみなくても、やはり人が一人いるといないとでは何か違う。全く違う。人一人の重み。もうお向かいの家の電気がつかないのかと思うと、なんとも寂しい気分になる。一昨年も同じ班の90歳のおじいちゃんが亡くなられた時、巨木が倒れたような感じがした。そしてまたひとつ大きな命が亡くなった。
翌日の葬儀は出勤日だったけれどお休みを貰い出席した。最後に棺の顔を覗かせてもらった時、とても安らいだ顔をしておられたのは救いだった。享年84歳。お元気だったし、百歳位までは生きておられそうなKさんだったから、少し早いお別れになってしまったけれど、良い顔をして往かれていたから良かった。今までありがとうございました。これからも班を何気に見守って下さいね。そして時々私の実家の畑も眺めて下さいね。