日本画の世界「雨」馬場良治展 

日本画の世界「雨」馬場良治展

2019年11月16日(土)~12月8日(日) 10時~16時 入場料500円 ときわ湖水ホール

 

最終日の前日、ぎりぎりになって馬場先生の個展を見に行った。今年馬場先生の展覧会に行くのは2度目?(宇部アートフェスタでの文化財修復復元等の写真展示は除く)。文化財の修復の仕事でお忙しい馬場先生が年に2回も個展をされたという事は、各種仕事の進行具合も、今までとは変わりつつあるのかも?と思う。

めずらしく、今年は2度行った展覧会で2度とも馬場先生のお姿を拝見することができた。折角お会いできたので、絵を見た後少し質問などしてみた。

雨(の線)で使われている絵具は金色と銀色を帯びて見えるけれど、金泥&銀泥で引かれているのか?と訊いてみた。すると、答えはアルミ(アルミ箔を溶いて使用?)。アルミの絵具があるというのを知らなかった。

金はやっぱり、太陽とか光背とか、ポジティブなエネルギーを感じさせる物質。銀は月の光を表現するのに使われていたりするし、金とは違う装飾のエネルギー。

そして今回知ったアルミという金属のもつエネルギー。雨の表現として、アルミ。雨、と、アルミ。似合っているというか、似通っているというか。勿論銀などを使って表現する雨もあると思うけれど、アルミを使っての表現は素敵だと思う。

アルミという金属が反応するものに「悲しみ」がある。先生が感じる雨としての表現。なんか、なるほどね。と思った。

夏に?文化財研究所の展示会場でお会いした時、秋に展覧会を市から要請されていることを話されていたけれど、何となく、その時はまだ何も書いておられないのじゃないか?&先生、展覧会に間に合うのかしら?と思ったけれど、案の定、夏には作品はほぼ出来ていなかった様子で、今回の絵は結構な大作もあったけれど、ほとんどが10月以降に書かれたものらしかった。手法もきっとある程度固まってきているものもあろうし、集中されると、書き上げるまでの時間はものすごく早いのだろうと思う。勿論、相変わらず余り寝ずに書いておられるのだろうとも思う。他にも1点ほど大作があったそうだけれど、風がビューって感じのうねりのあるもの?とかで、今年あった水災害のことを考えると不謹慎だからと展示をやめたとのことだった。勿論今後みる機会はあると思うけれど、どんな絵だったのか気になります。

折角お会いできたので、サインが欲しいなと思い、鞄の中をゴソゴソみたけれど適当なものが見当たらず、随分前に小出裕章先生に鞄にサインを書いてもらった事を思い出し、ボールペンと一緒に鞄を出した。これに書くの?と呆れた顔をされたけれど、書いて下さった。最近は音楽(ピアノ)ばかりに指向が向いているけれど、本当は絵も描いていきたいと心の中ではずっと思っている。ピアノも死ぬまで弾き続けていくつもりだけれど、来年は小さい小さい作品の1点でもいいから、何かお気に入りになるような作品を描ければいいなと思う。

色々肩書も増えて偉い先生なのに、以前日本画を習っていた先生ということもあって、相変わらずのテンションで話していたら帰り際に〇〇の場所でネズミ捕りをしてたから気を付けて帰りなさいよと言われた。先生みたいに車を怖ろしいスピードを出す私ではないけれど、ハイハイと適当な返事をしたけれど、そんなにスピード出す人に見えたのかしら?というより、相変わらずの間の抜けた人だと思われたに違いなし。

本当は馬鹿みたいにゆっくりと、絵の前でボーっとみていたいけれど、そうもいかず。もっとゆっくりとじっくりと対峙できるような自分になりたいもの。(ま、無理か。)