夢の中で死んでしまったのこちゃん

Mちゃんから電話がかかってきた。先日、屋形島でお祭りに参加していたとき、私の夢を見たのだそう。それは、私が死んでしまった夢。その夢を伝えようとして電話をしてくれたみたいだった。

夢の中で私が死んだ時「もしかして?」と思って心配して見に行ったら、1分も経たないくらいの間に「やっぱり…」と、もうひとり死んでしまったらしい。

私が死んでしまったという夢の話を聴いたときは、確かに今のまま、まともに生きない生活を続けていたら早く死んじゃうだろうなっていうのは私なりに覚悟も承知もしているから、特別にショックを受けたり驚くこともなかったけれど、その後つづけて語ったMちゃんの言葉は、私を次に続く言葉から遠ざけるほど静かに深い衝撃を与えた。

『私が死ぬと、誰かが死ぬ!?』
そう思ったら、言葉がでてこない。受話器の向こうで、「オーイ、のこちゃん!」とMちゃんが呼んでいる。それを何処か遠くで聞いている私。

受話器を握っているものの、意識がどこかに飛んでしまって、時々自動で入る後頭部のスイッチが押され、無言の一人の時間が経過していた。

私が死ぬと、誰かが死ぬ。確かに、私が死ぬと、誰かと現実の私の関係も、死ぬ。私が死ぬと、その後に関わったかもしれない時間とそれに関係し続いていた人との関係も、死ぬ。


「生きてね」ってMちゃんが言うから、「うん、生きるよ」と返事をした。