奈良からのお客様

T先生からお電話を頂いて、店休日の”なないろのんた”へ伺った。
”なないろのんた”へ行くと、駐車場に奈良ナンバーの車。誰かお友達でもいらしているのかな?と思ったら、偶々「大根ドリンク」を求めて、奈良〜萩〜山口へ来られた方だった。
店休日だったのに、懇意であるT先生が伺うからということで夕方にお店を開けられて、そんなところに来られた奈良からのお客様。
もしT先生が来られなければお店は開いていないし、わざわざ奈良からのお客様も「大根ドリンク」を手にして帰られることはなかった。
T先生が、東京で神人さんに会われていなかったら、この日はなくて、私もT先生にちとらんが逢わせてくれていなかったら、この日はない。巡り合わせって、面白いなと思う。
全く個別に発生する偶然と偶然が繋がって、重なっている。それは、まったく予測不能
そういう事を起こす、人や場というのが存在するなぁと、思う。そして、そういう事を起こす、何か見えないけれど、何かの働きが存在することを感じる。
まるで予期しないことが、起こる。そのかけ離れ具合が遠ければ遠いほど、なんだか楽しくて面白い。

狭い自分の中だけの意識の世界で生きているけれど、でも狭い自分なのに、何処かと繋がっている。色んな世界へと繋がっている。

ちょっとだけお話をさせてもらっていたら、奈良からのお客様は、なんとお煎茶の道具を作られている作家さんなのだそうで、文部科学大臣賞を受賞されている方だった。3年ぶりに萩に材料調達に来られたのだとか。お茶を飲まれる姿がなんともステキだった。お茶を飲まれるというよりも、お茶を聴いて、訊いて、おられるようだった。

今年は奈良は平城遷都1300年ということで、4月24日〜11月7日まで色んなイベントをしているらしい。京都も良いけれど、奈良もまた日本のルーツを辿る場の一つ。宇部棚井の馬場良治先生のアトリエに朱雀門の扁額が彩色の為暫くの間あって、生徒たちは見せてもらっていたこともあり、なんだか少し縁を感じた。

イベント期間中、お煎茶の振る舞いがあるそうで(当日の朝予約、先着?名様のみ)特別な高揚感を味わえると言われていた。儀式のようなそのお茶は、一服すれば、その余韻(香り)が30分以上も続くといわれていた。その独特のお茶の儀式、お茶のお手前を考え出した日本人。お茶は世界各国あちこちで飲まれているものだけれど、お道具を含め、お茶の文化を発展させた日本人ってやっぱり特異でかなり繊細な民族なのだろう。

奈良からのお客様がお帰りになられた後、T先生が近頃行かれたお伊勢&東京でのお話を聴かせてもらった。

今まで意識的には捉えられていなかったように思うけど、やはり、鍵になる人、というのがある気がする。理解をする上で、何かを経験する上で、他の人、他のルートでは、ダメで、その人だから開いて行くというルートがある。

その人の体験、情報、そのようなものが見えない何かを伴って、私に言葉ではない何かを伝える。その見えない感覚を受け取って、私は、人と、何かと、繋がる。それは、すぐそばの、かなりパーソナルなこと。そして何かどこかに感謝を伝えたくなるような気分。感覚は信じていい。

今日は見える存在と、見えない存在へ、感謝。みんな、ありがとう。