おせいさんの小倉百人一首は面白い

先日、荒磯温泉に行った帰り、島根の柿野本人麻呂神社に寄った。誰も行かないような神社だったけれど、彫刻は超立体的で複雑で、彩色はすっかりはげ落ちているけれど素敵な神社だった。

帰宅後、人麻呂の句なんて知らな〜い、という私に相方さんが自分が随分前に買って読んだという田辺聖子小倉百人一首(文庫本)を渡してくれた。そんなこんなで昨日から何となくパラパラめくって拾い読みしている。

十代の頃、好きな人にこういう句を詠んで渡したらいいだろうね〜と思った事はなくもないけれど、句はうまく理解できないし、解説も多少は探して読んでみたりもしたのだろうと思うけれど私の理解能力の不足であまり面白く感じられなかった。結局ほぼ小倉百人一首を味わうことなく通過。

何十年ぶり?かにめくってみる小倉百人一首。おせいさん(田辺聖子)の解説がとてもいい。そして私が歳を重ね人生経験を重ねたからこそ面白く感じられるのだろうなとも思った。歳をとるのも悪くない。味わいは随分広がっている。

すっきりサッパリしているものの方が好きだったし「恋愛は面倒なものである」と括ってきた。でもこの1、2年位の間に、大人の恋愛話を聴くことが何度かあって、いつもより余計に考える機会があった。対象の女性の方々は顔を知っている方々。SNSで繋がっている程度で頻繁に会う人ではない。けれどエールを送りたくなるような女性。それぞれの事情、それぞれの立場、お育ち等々、簡単ではないものがあるよねとつくづく思う。

私達が生物である以上恋愛は本能でどうしようもない部分もある。そして恋愛の色の濃い人は、社会的にも大きく関わっていたりする人が多い。どうしようもない部分と自分の心、関わる人達、どう折り合いをつけて解決するか。人のダメさズルさカッコよさ、少し身近にみさせてもらった。

どれもこれも、時が経てば過去になっていく。どこかがまた未来にも繋がっているんだろうけど。

季節のことや恋の事。暫くおせいさんの小倉百人一首をめくって、各々違う人の心に触れてみようとようと思います。