ここの所、ピアノの前に座ると、いつも練習するのは坂本龍一作曲の”エナジーフロー”。どんな時も、私の心が上手く沿ってくれる曲。マイナーな気分を含みながら、下手に上げないし、下手に下げない、そんな曲。弾くと、いい具合に心の位置を戻してくれる。
あの日。
深夜にピアノの練習をすることなどない私が、夜遅くまでピアノを弾いていた。
自身と現実と空間を見つめるような曲”エナジーフロー”。弾いていて、心が鎮まる。
日付が変わる頃まで練習をして、眠りについた。
そして、翌日。朝のニュースで、坂本さんが亡くなられたことを知る。
坂本さんは初期の作品が好きだったこともあって、この頃は坂本さんの情報には触れていなかった。なのに亡くなられたことを知って、思いの外深く悲しんできる自分がいた。
若い頃、坂本龍一のラジオ番組に投稿するような人物からの影響で、知らぬ間に坂本龍一やYMOの影響が大きくなっていた。時代も今とは随分違っていた。悲しみの中、1970年代後半から80年頃のことを思い出し、そして時の経過と共に失われていったものを思い出す。
時代は、本当に、本当に、変わって、しまった。しみじみと、そう思う。
エナジーフロー の楽譜を入手して、多分もう半年位経っていると思う。
いい加減、暗譜しよう。ずっと弾き続け、忘れないために。