宮島で牡蠣と摩尼殿でのお昼寝

月後半の3連休は人が混雑するだろうから、秋の行楽は早めに何処か少し遠出をいたしませようか?とのことで、候補地の一つの宮島へ出かけた。

体調的に不安があったので、行こうかどうか前日まで決めかねていたけれど、出かけて動いてみれば気も心も変わる。運転を始めて暫くは「あぁ、誰かに運転してもらいたいよぉ〜」と、甘えや愚痴もこぼれてしまっていたけれど、なんとか気を紛らせて頭を静かに説得させて身体も誤魔化して、宮島に到着した。朝食を抜いて出かけてしまったけれど、遠出をするときは、しっかり朝食をとった方がいいなと実感。途中で出してくれた友のいつものコーヒー牛乳が道中一息つかせてくれ、とてもありがたかった。

途中からは大渋滞で、駐車場は空いてないだろうねぇ、と言っていたけれど、とてもタイムリーに殆ど待つこともなく駐車場に車を入れることができた。反対車線にずらりと並ぶ駐車場の空き待ちの車をみながら、ありがたいと思うのと同時に、なんとなく守られている気もした。

広島といえばぼちぼち旬になってくる牡蠣。昼食は宮島でのお楽しみの一つである牡蠣を堪能する。牡蠣丼を友が奢ってくれた。牡蠣はつい5年位前までは食べることができない嫌いな食べ物の1つだったのに、偶々数年前にいった宮島で、Nさんが屋台で売られていたカキフライを私が牡蠣が食べれないとは知らずに買ってくれ、それを食べたのがきっかけで食べることができるようになった。旬で&産地の牡蠣はこんなに美味しいんだなぁとその味が舌と心に沁みた。それ以降2年に1度は宮島へ足を運んでいるが、その度に牡蠣を食べている。あれほど嫌いで苦手だった牡蠣なのに、旬の牡蠣はいつも美味しい。

11月の宮島は紅葉は綺麗だとはとても言えないのに、人が多くて多くて閉口してしまう。多くの人が紅葉を目当てに宮島に来ているのだと思うけれど、今年は紅葉がまったくもってよろしくなかった。木々に元気が見られない。人々と同様にお疲れなのか?植物も人々の意識の作用をうけるに違いない。綺麗に葉が色づく条件ってどんなことが挙げられるのだろう?美しく紅く染まって散っていくには、気持ちの良い寒さが必要だと思う。でも今日の日中の気温は24度ととても高かった。いろんなことが知らぬ間に少しずつ変化していっている。前に来たときに、その美しさに離れられずにみていた紅葉谷公園内の大きな紅葉の木も、今年は茶色に葉は縮んで多くの葉はすでに落ちていた。

人混みを離れて小川のせせらぎに手を浸したくなって降りてみる。左手を見上げれば橋を忙しなく歩く人々。そしてその奥には以前スケッチ旅行でお泊りした「岩惣」。大きな岩の側に身を置くと、岩が私を守ってくれているようで、人の想念や電磁波も少なく感じられて、気持ちが落ち着く。水辺は気温も少し低く感じられて、宮島に入って友と二人ようやく少し落ち着けた。

以前ここでは、大きな鹿に遭遇していたけれど、一頭もお会いできず。人が多いから山の方へ隠れているのか?それとも個体数が減ったのか?友が鹿の数が減ったことをとても気にしていた。そう言われて後で思い出すに、前に来た時よりも随分と減っていたし、今回大きくて老齢でカッコイイと思える鹿は一度も見なかった。鹿に餌をあげないようにという看板をみたけれど、ちゃんと山には食べるものがあるだろうか。

人で混雑する紅葉谷公園を後にして、大聖院へ向かう。向かう途中、建物はまだまだ遠くに見えるにもかかわらず、お香の匂いが香ってくる。弥山から空気が降りてきて香りを運んでくれているのだろう。

宮島に来たらいつかしてみたいと思っていた事があって、それは摩尼殿の二階で大の字になって寝ること。その場所は以前Nさんに教えてもらった場所であるけれど、余り知られておらず、殆どの人は足を運ばない場所。初めて行った時、ゼロ地場のように感じられてとても気に入ってしまった。その秘密の場所へ今回一緒に行った友を連れていく。

まずは、大きなお鈴(←なんて呼ぶのかワカラナイけど、仏具の一つで木魚などと一緒に置かれているお鈴の大きいφ30cm位のもの)をガ〜ランガ〜ランとシンギングボールを鳴らすように音を出す。私たちの他に一カップルあったけれど降りて行かれた後、友がその大きなお鈴の中に頭を突っ込んだので、こりゃ叩けちゅーことやね?と、ゴンゴンお鈴を打ち鳴らす。とてもとてもいい音がした。

そしてその後は、お楽しみのお昼寝会。余り広くはない12畳程度?のそのお気に入りの場所に二人で寝る。仏像に足を向けるのは憚られる様におもえたので、頭の向きを弥山の方向に向けて暫しお昼寝。身体が畳の方に吸い込まれていくような気分だった。とても気持ちがよかった。本当は1時間位寝ていたいけれど、そんなことはできないので、10分位で起きて下山することにする。

今回は、5円玉を沢山持参して、あっちもこっちも拝みまくってきた。七福神に、如意輪観音、お釈迦様にお不動様に御大師様に、愛染明王様なんかにもお参りする。そして勿論厳島といえば、弁天様。しっかりお参りしてきた。八百万の神様仏様、沢山守ってくださいますように。

先回いつ来たのかを思い出してみれば、ダライラマ法皇様のお姿を一目拝見したくて、大聖院に足を運んでいた。2006年の11月の出来事。あの時修行僧の方が俄かに行った私にも、お水やお菓子を私の手に受けさせて下さった。家の宗派とは違うけれど、ありがたいこと。願いは一緒、みんな仲良く平和に暮らしていけること。

今回は、NさんとMちゃんへと思い、ダライラマ法皇様のお写真を頂いてきた。渡せるといいな。

次回の目標は、弥山登山。ロープウェイという手もあるけれど、ゆっくり歩いて登って、山頂よりの眺めを満喫したい。