悲しいお手紙

また大切な人が一人亡くなられ、もう会えなくなってしまった。思い出すたびにまた涙が出てくる。

仕事から帰ると「手紙がきちょるよ」と言われ、手に取った封筒。消印は東京銀座で、名前の横に「父母にかわりまして」と書いてあった。Mさんの息子さんからのお手紙。封を開ける前に「ああ、往かれたんだ・・・」と判り、その後涙が止まらなくなった。

母を亡くしてから独りになった私をずっと気にかけて下さった。この世から浮きがちな私の心を今思えば何気に下ろして貰っていた。生きていくのが大変な私に、ジャンバーや長靴、ホットプレートや高価なお茶器、日頃の生活に利用できるものを色々下さったりもした。Mさんが毎年のように奥様と見に行かれていたという枝垂桜を一緒に見に行ったり、カフェでお茶をしたり、回転寿司屋で興味深いお話しを色々聴いたりもした。

最後にお会いしてから1年以上も経ってしまっていたから、そろそろまた会いに行かなくっちゃとこの頃ずっと思っていた所の訃報。

もう、会えない。会えなくなってしまった。
暫く心が収まっていきそうにない。