大分香りの博物館

また行ってしまった「大分香りの博物館」。一度行ったからもう今回の別府の旅では行かなくてもいいと思っていたのに、企画者の相方君が今度は自分も香水を作るといって再度行くことになった。

以前行った時、興味深い展示だったこともありトータル3時間近く居たけれど、ここは何度行っても興味深く好きな場所で、今回もまた随分と長居をした。何度来てもこの博物館は幸せな気分になる。学術的で歴史を感じることができる場所であるのがまたいい。前回はお客さんが多くてレストランの利用はできなかったけれど、今回はランチも楽しめた。サラダはとてもフレッシュで薫り高い燻製肉が入っていたのもよかったし、ワンプレートの変わった味付けのプチ料理の数々も良かったし、ハーブガーデンを眺めることができる窓辺だったのもよかった。

先回来るときまでは知らなかったけれど、調香師は化学者出身であることが多い。そして化学者はフランス人が多い気がする。以前、挿し木で植えたバラの名前を検索した際ゲランという名前に行き当たった。香りがものすごくよい薔薇だった。ゲランはフランス人で化学者だったことをネットで知った。

私は基本的に化学という分野が好きではない。化学的に合成して生物に有害なものを山ほど生み出し、人間の偏った思考をとても感じるからというのがその理由だけれど、有機化学の分野があったり、知らないだけでその全部を毛嫌いすることはないという考えも最近はでてきている。

香りの分野というのは、とても魅惑的。19世紀に入って科学が発達し合成香料ができるようになってから、香りの種類は爆発的に増えたらしい。合成香料には面白いものが沢山あるけれど、個人的には天然の樹脂や天然木から採取された香料が入っている力強い香りが好きかもしれない。実際天然香料はパワフルさが違うように思う。香水瓶も魅力的でガラスケースに沢山並んでいて、その美しい瓶の設計図も展示してあるけれど、香水瓶の中には建造物のように美しいなと思うものもある。それから香水は調合するのに数を多く混ぜればよいかというものでもなく、数よりもベストな組み合わせが大切であるらしい。そうは言っても、調香師は三千種類位の香りを覚えていて、一つの香水を作るのに約千種類の香料から百種類位をチョイスして調合して作り出すのだとの説明を受けた。人々のために香りを作る。その為にどんな生活をしていたのだろう?ストイックさを求められる生活かもしれないけれど、でも同時に少し羨ましい感じもする。

今回相方さんも私もオードトワレを調合したけれど、私は相変わらず欲張りで色々な香りを混ぜあわせてしまった。沢山合わせればよいというものでもなく、あまり良い香りになったとは言い難い。結果としては、今回は相方さんの方が香りが良かった様な気がする。負けた(笑